11月の鉱工業生産は前月比でプラスとなった。市場予想を下回ったものの、生産が回復基調にあることを示した。同月の小売販売額も前年比でプラスに転じた。  

キーポイント

  • 鉱工業生産指数は前月比1.5%上昇(ブルーバーグ調査の予想中央値は1.7%上昇)-前月は横ばい
  • 先行きの予測指数は12月が2.0%上昇、来年1月が2.2%上昇
  • 経済産業省は「総じてみれば、生産は持ち直しの動きがみられる」と判断を上方修正-前月から「緩やかな」を削除
  • 小売業販売額は前年同月比1.7%増(予想は0.8%増)





背景

  11月の米大統領選後に急速に進んだ円安や海外景気の回復を背景に輸出が回復基調にある。政府の12月の月例経済報告では輸出の判断を9カ月ぶりに「持ち直しの動きがみられる」へ上方修正。生産も2カ月ぶりに判断を引き上げ、先行きについて「持ち直しが続くことが期待される」と明記した。これに伴い、景気の総括判断を1年9カ月ぶりに上方修正した。

  日本銀行も20日の金融政策決定会合の発表文で、足元の景気について従来の「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられる」との表現を削除し、輸出や鉱工業生産を「持ち直している」に判断を引き上げた。景気全体についても「緩やかな回復基調を続けている」と判断を上方修正するなど、先行きへの期待感が広がっている。

エコノミストの見方

  • SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、鉱工業生産について「世界経済及びグローバルな製造業循環の回復を受けて海外需要が増加し、輸出と鉱工業生産の拡大につながっている」と指摘。円安の恩恵も及ぶことから「メーンシナリオにおいて鉱工業生産の増勢維持を展望できる」と予想している。
  • 日本政策投資銀行の田中賢治経済調査室長は発表後のリポートで、「生産の順調な回復が想定できる段階まで来た」とする一方で、「肝心の需要に力強さがみられない」と分析。ここ数カ月の生産持ち直しに一役買った輸出が追い風となるとしながらも、「海外経済には下振れリスクが山積することに注意が必要だ」との見方を示している。

詳細

  • 鉱工業生産指数は前年同月比4.6%上昇(予想は4.7%上昇)
  • はん用・生産用・業務用機械や輸送機械などが上昇-産業用ロボットや計測機器、自動車部品や乗用車などが寄与
  • 小売売上高は前月比0.2%増(予想は0.5%減)
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