28日の東京株式相場は、TOPIXが5営業日ぶりに小反発。原油価格の上昇や米国消費者心理の改善を好感し、非鉄金属や鉄鋼など素材株、機械や海運株など景気敏感セクターが高い。半面、12月決算銘柄で配当権利落ちが響いたゴム製品や食料品株は安く、相場全体の上値を抑えた。

  TOPIXの終値は前日比0.58ポイント(0.04%)高の1536.80。日経平均株価は1円34銭(0.01%)安の1万9401円72銭と小幅に反落した。

  ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネージャーは、「米大統領選後の急上昇ペースのまま株価が上がり続けることはなく、今はスピード調整が必要」と指摘。一方で、「1月下旬からの第3四半期決算で企業業績の反転を確認、円安と原油高で物価が底打ちし、業績がさらに良くなるとの期待感を先取りした動きがある」とも話した。

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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  27日のニューヨーク原油先物は1.7%高の1バレル=53.90ドルと7日続伸。産油国の減産で供給超過の解消に拍車が掛かるとの期待が広がった。また、米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した12月の消費者信頼感指数は、113.7と2001年8月以来の水準に上昇した。

  良好な経済指標を受けた27日の米国債市場で10年債利回りが2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.56%となった。きょうのドル・円相場は一時1ドル=117円70銭台と、前日の日本株終値時点117円31銭に比べややドル高・円安水準で推移した。

  SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は、ここ数日のもみ合いで「日本株の過熱感はいくぶん冷めた」と分析。原油高は、産油国は売り先に供給量削減を通達しており、「協調減産に対する期待が価格を押し上げている。投資家のリスクオンとしての支援材料」と言う。米消費者信頼感の改善も、「米景気が堅調の証し。トランプ政権発足に向け景気が良いことを示しており、ポジティブ」と評価した。

  規模別では、相対的に中小型株が堅調だった。東証1部の時価総額、流動性上位のTOPIXコア30指数が0.2%安、ラージ70指数が0.3%安など下落。対照的にミッド400指数は0.3%高、時価総額の小さいスモール指数は0.8%高だった。東証2部指数も1.6%高、マザーズ指数も1.2%高と高い。年末接近で海外投資家や国内機関投資家が売買を手控える季節性に加え、「相場の基本的な方向感は上とあって、米大統領選後に先行して買われた大型株に比べ、同業種でもバリュエーションが低く、好業績の中小型株は買われやすい」とドルトンの松本氏はみていた。

  もっとも、主要株価指数は終日、前日終値を挟み方向感に乏しい展開。投資家不在を映すように東証1部の売買代金は昨年12月28日以来、1年ぶりの低水準にとどまった。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「ことしは大発会から6営業日続落したように、ここ3年間は年末にかけての堅調な動きに対し年明けから反落しており、新年への警戒が出やすい」と話している。

  ブルームバーグ・データによると、12月決算銘柄の配当権利落ちはTOPIXで1.95ポイント、日経平均で28円20銭の押し下げ要因になった。12月決算銘柄が多いゴム製品株、ビールを含む食料品株が業種別下落率の1、3位。売買代金上位では、12月決算のキヤノンが下げた。

  東証1部売買高は13億1143万株、売買代金は1兆5591億円。値上がり銘柄数は1411、値下がりは474。東証1部33業種は非鉄、鉄鋼、機械、海運、金属製品、建設、サービスなど21業種が上昇。ゴムや繊維、食料品、医薬品、保険、小売、銀行など12業種は下落。売買代金上位では、米原子力事業で数千億円規模の減損の可能性がある東芝がストップ安。米投資ファンドによる買収を28日付の日本経済新聞が報じた日立工機は急騰した。

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