債券市場では超長期債が安い。日本銀行がこの日の金融調節で超長期債の買い入れ額を前回から減らしたことを受けて売りが優勢となり、利回り曲線は傾斜化した。

  28日の現物債市場で新発20年物の159回債利回りは日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値に比べ2.5ベーシスポイント(bp)高い0.595%と19日以来の水準に上昇。新発30年物53回債利回りは3.5bp高い0.715%、新発40年物の9回債利回りは4bp高い0.84%と、ともに前回10年超のオペが入った16日以来の水準まで売られた。一方、長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは横ばいの0.06%を付けた後、0.055%まで戻している。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「14日に超長期ゾーンのオペを増額したのは金利上昇ピッチが速かったからで、落ち着いたから戻したが、再び上昇して混乱すればまた増やすということではないか」と指摘。「10年金利が0%から極端に上昇した場合は話が別だが、経済環境に照らし合わせてイールドカーブがスティープ化することには違和感がないのだろう」と話す。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比4銭高の149円86銭で取引を開始。いったん149円84銭まで上げ幅を縮める場面もあったが、午後には149円97銭まで上昇した。結局は12銭高の149円94銭で引けた。

超長期の買い入れ減額

  日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペでは、残存期間「10年超25年以下」の買い入れ額が1900億円、「25年超」が1100億円と、それぞれ前回から100億円減額された。変動利付国債は1000億円で前回と同額。結果は10年超25年以下の応札倍率が2.98倍と前回の1.62倍を上回った一方、25年超では3.09倍と前回3.53倍から低下した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、日銀のオペ方針について、「このまま通常運転で来月も基本的には据え置きがメーンシナリオになるだろう」と予想。「需給的には昨日の後場あたりから、いったんフラット化しそうだったが、センチメントが変わってしまった」と話した。

  日銀は今月14日のオペで、10年超の買い入れ額を増額していた。30日には当面の長期国債買い入れの運営について、1月の初回オペのオファー額が発表される。押久保氏は、「足元の金利水準は日銀にとってある程度安心感がある」と言い、「増額したまま金利水準の低下を促すという程ではないのだろう」と語った。

  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、「量を野放図に増やしていくということではなく、あくまで増額は金利上昇圧力に対する緊急手段であるということがあらためて示されたのだと思う」と分析。「1月の買い入れ額に関してはそれほど変えてこない」とみる。

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