原油市場でここ数十年で最も重要な減産合意を達成した石油輸出国機構(OPEC)は来年、新たな綱渡りを強いられそうだ。それは、シェールオイルの増産を促すことなく価格を押し上げるというものだ。

  シェールブームをきっかけに世界の原油供給が過剰となり、2014年半ばに原油価格は下落し始めた。同年11月にOPECが市場での優位を保つため減産を見送る戦略を採用したことから供給過剰は膨らんだ。ニューヨーク市場の原油価格は1バレル=100ドル超の水準から下げて今年2月には26.05ドルを付け、石油会社と産油国の予算を圧迫した。

  OPECには来年、新たな計画がある。減産によって原油価格を押し上げ、世界で最も重要な天然資源である原油から得る利益を増やすことだ。ブルームバーグがアナリスト24人を対象に実施した調査の中央値によると、減産により価格は平均58ドルになると見込まれている。予想通りなら今年の平均と比較して29%高い水準となり、OPEC加盟国にとって助けとなる一方で、米国のリグ(掘削装置)稼働数の増加につながる可能性がある。
  
  米シティグループの商品調査責任者、エド・モース氏は「いずれの産油国もバランスシートが圧迫されているため、OPECは是が非でも必要な原油価格押し上げを目指している」と指摘。「問題は、その後に何が起こるかだ。米国のシェールオイル生産がどれほど速いペースで回復するかだ」と述べた。

  ベーカー・ヒューズと米エネルギー情報局(EIA)のデータによれば、米国の原油生産は日量880万バレルと、既に2年前とほぼ同水準となっているが、リグ稼働数はピーク時の3分の1にとどまっている。リグ稼働数は5月以降、約200基増え、OPECの減産協議が進む中で原油価格上昇の恩恵を受けた。

原題:Shale Specter Haunts OPEC’s Feast as Oil Seen Rallying Into 2017(抜粋)

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