新年を目前に控えて、欧州中核国の国債利回り曲線(イールドカーブ)が来年どのような展開になるか、市場関係者の間でコンセンサスはまだ形成されていない。

  引き続き低いインフレ期待や政治リスクの高まりのほか、欧州中央銀行(ECB)が債券購入プログラムで買い入れるドイツ国債が再び品薄になるとの見通しが、長めの国債の利回り低下とイールドカーブのフラット化の観測を支えている。その一方で、ECBの債券購入のペースダウンや購入額がさらに減る可能性、米景気改善の潜在的な波及効果がスティープ化の見方の背景にある。

  ブルームバーグの集計データによれば、ドイツ30年国債の5年債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は今月に入り最大166ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大した。7月末時点では86bpと1年2カ月ぶりの水準まで縮小していた。ブルームバーグ調査の中央値によると、ドイツの2年国債と10年国債のスプレッドは来年末にかけてほとんど変わらないと予想されており、方向感を欠く様子が示されている。

  ドイツ銀行のストラテジスト、アブヒシェク・シンガニア氏らは、インフレ見通し改善に伴いECBが資産購入額をさらに減らすことを示唆する可能性が高く、独10年国債利回りは17年末までに約1%になると予測。ECBが17年4月以降の債券購入額を600億ユーロ(約7兆3500億円)に減らしたことや予想されるテーパリング(段階的縮小)は、ユーロ圏中核国よりも準中核国あるいは周辺国の国債により大きな影響を与えるはずだと分析する。

  バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのストラテジスト、ラルフ・プロイサー氏らによれば、デフレリスクがまだ消えていない状況で、ユーロ圏は財政支援の縮小や金融情勢の逼迫(ひっぱく)に対し脆弱(ぜいじゃく)であり、追加の政策緩和を必要としている。

  モルガン・スタンレーのストラテジスト、アントン・ヒース氏らは、ドイツ国債と日本国債をアンダーウエート、英国債をオーバーウエート、米国債をニュートラルとするスタンスを採用すべきだと指摘。欧州のインフレ見通し改善は、ECBが資産購入を段階的に縮小する意図について市場にガイダンスを示し始めることを意味するはずだと説明している。

原題:Politics Vie With Tapering for Biggest 2017 Driver of Euro Bonds(抜粋)

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