27日の東京株式相場は、TOPIXが小幅に4日続落。年末接近に伴う持ち高整理の売りに押され、不動産や建設株が下げ、電機など一部輸出株も安い。アナリストが円安で業績の先行きを懸念したパルプ・紙株も下落。

  TOPIXの終値は前日比1.92ポイント(0.1%)安の1536.22。日経平均株価は6円42銭(0.03%)高の1万9403円6銭と4営業日ぶりに小反発。

  ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、「米国の長期金利は過去に市場で大きな認識の転換が起きた際の値幅などから判断し、良い水準まで到達した。日米株式や為替変動もあまりに急ピッチだった」と指摘。一方、「米国でしばらく景気拡張的な政策が出ることへの期待感があり、売りも出にくい。次の材料である年初の米経済指標まではこう着相場が続きそう」との見方を示した。

東証内
東証内
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  26日の欧米株や米国債市場が休場で、国内も明確な売買材料に乏しい中、主要株価指数は方向感を欠く展開が続いた。安く始まったTOPIXは、為替の円弱含みや海外原油先物の時間外での上昇を材料に午前はプラス圏で終えたが、堅調さを維持できなかった。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、金融市場はトランプ次期米大統領への期待を織り込み、「年明け以降の正式就任後の実際の政策を見極める相場に移行している」と分析。この日は受け渡しベースで年内最終日に当たり、12月決算銘柄のゴム株など一部で配当権利取りの動きもあったが、「年末年始の地政学リスクや1年前に年明けから株価が崩れた経緯も考えると、年明けまで買いが手控えられる可能性が高い」と言う。

  米国では来年1月4日に供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、6日の雇用統計など12月の重要経済統計の発表が相次ぐ。「米雇用統計はもともと12月が変動しやすい月で、月初の米景気指標は要注意。株価はちょっとしたきっかけで反動が出てもおかしくない状況にある」と、ニッセイアセットの久保氏は警戒感を示している。

  11月からのトランプラリー後のTOPIXの続落記録は4日まで延びたが、下げ幅は限定的。米10年債利回りがこの日の時間外取引で上昇、為替市場では一時1ドル=117円40銭台と前日の日本株終値時点117円13銭から円安方向に振れた。また、ニューヨーク原油先物も時間外取引で堅調に推移し、投資家心理を下支えした。

  業種別では、直近で下げが目立っていた銀行株のほか、その他金融や医薬品、ゴム製品株が上昇。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「円安による業績上振れ期待や金融緩和の環境、積極的な財政政策から日本株に対する信頼感は少しずつ高まっている」とし、買い遅れた投資家などを中心に、投資対象業種が広がる「セクターローテーションの動きがみられる」としていた。

  東証1部の売買高は17億4965万株、売買代金は1兆8355億円。値上がり銘柄数は781、値下がりは1076。東証1部33業種は不動産や紙パ、建設、電機、鉄鋼、陸運など15業種が下落。紙パは、野村証券が2017年のセクター見通しで、円安は業界全体にコストアップ要因と指摘した。ゴムやその他金融、海運、医薬品、銀行など18業種は上昇。売買代金上位では、がん免疫薬「オプジーボ」を17年度中に胃がんに適応拡大する、と27日付の日本経済新聞が報じた小野薬品工業が大幅高。売買代金トップの東芝は、米国の原子力発電所事業をめぐる損失計上の可能性が嫌気され急落した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE