ドイツ銀行の行員が受け取る2016年の現金賞与は、ジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)が米当局との土壇場の交渉で引き出した民事制裁金減額の恩恵を受ける見込みだ。

  住宅ローン担保証券の販売をめぐり司法省と交渉を続けてきたドイツ銀は、数週間前から同省の調査を決着させる合意へと近づいていた。一方、英バークレイズも並行して当局との協議を進めていたが、先週半ばに暗礁に乗り上げた。

  ドイツ銀は長期の法廷闘争を望んでいなかった。司法省が22日に住宅ローン担保証券販売をめぐりバークレイズを連邦地裁に提訴したのとほぼ時を同じくして、ドイツ銀行の代理人を務める弁護士はクリスマス前後に合意がありそうだと述べていた。

  事情に詳しい関係者によれば、クライアンCEOは急きょ合意を決断。同行は調査決着と引き換えに民事制裁金として現金31億ドル(約3600億円)、住宅所有者救済で41億ドルを支払うことで米当局と基本合意した。司法省は当初140億ドルの支払いを求めていたことから、今回の合意条件はドイツ銀と同CEOの勝利と言える。民事制裁金の額は同行の想定内であり、資本が圧迫されるとの懸念は和らいだ。

  また年末前に決着に至ったことから、ドイツ銀は賞与の引き当てが可能になる見込みで、優秀な行員の流出に苦しむ同行にとって福音となりそうだ。同行幹部は、現金の代わりに株式での賞与支給を数カ月前から検討していた。

  ドイツ銀と司法省はコメントを控えた。

  事情に詳しい関係者1人によると、ドイツ銀と当局者の交渉で、当局側が現金支払いの割合を引き下げる譲歩案を提示した。一方、別の関係者は、ドイツ銀側が土壇場で提案したものだと述べた。

原題:CEO’s Winning Gamble May Keep Scrooge From Deutsche Bank Bonuses(抜粋)

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