26日の東京外国為替市場ではドル・円相場が下落。海外市場の多くが休場で流動性に乏しい中、ドル売りに押される展開となった。

  ドル・円は早朝に付けた1ドル=117円40銭から一時117円01銭までドル安・円高が進行。午後には日本株の下げ渋りを背景にやや値を戻す場面も見られたが、3時55分現在は前週末比0.2%安の117円15銭となっている。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、海外勢は28日から戻ってくるとみられるが、年内は新規手掛かりに乏しく、年明けに発表される米雇用統計や米供給管理協会(ISM)指数といったところが重要になりそうだと指摘。特にISM指数は「足元のドル高や米金利高の影響がどのように表れてくるかが鍵」となり、「結果次第ではポジション調整のきっかけになる可能性もあるだろう」と話した。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグのドル・スポット指数は0.2%安。米長期金利の上昇が一服する中、先週は11月8日の米大統領選以降のドル高・円安の流れがいったん止まり、ドル・円は週間ベースで7週間ぶりに反落した。

  26日の東京株式相場は3日続落。先週発表された新規失業保険申請件数の予想以上の悪化で米国の雇用に対する不透明感が広がり、中国の成長鈍化も懸念された。午後には日経平均株価がプラスに転じる場面も見られたが、引けにかけては再び売られる展開となった。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストはリポートで、26日は海外主要市場が休場で材料も少なく、動意薄の展開となりそうだが、ドル・円は米金利と共に上昇モメンタムが一服している中で「トランプ新政権に対中を中心とした保護主義的通商政策への警戒感から、どちらかというと117円割れへ軟化するリスクが大きそう」と指摘した。  

  この日はⅠ0月31日、11月1日開催の日本銀行の金融政策決定会合の議事要旨が公表されたほか、黒田東彦日銀総裁の講演があったが、相場を動かす材料とはならなかった。黒田総裁は、海外経済の好転が明確になるに従い、国内長期金利にも上昇圧力がかかると発言。議事要旨では、複数の委員が国債買い入れ額のめど削除は誤ったシグナルを与えかねないため、これを維持した上で買い入れを柔軟に運用することが適当との見解を示していた。

  ユーロ・ドルは1ユーロ=1.04ドル台後半へ強含み。オーストラリア・ドルは中国の景気減速懸念から先週末に1豪ドル=0.7160ドルと7カ月ぶりの水準まで下落したが、週明けの取引では0.7200ドル付近まで小幅反発した。

  山本氏は、ユーロ・ドルはドル高一服やイタリアの銀行セクター懸念の後退からくる下支えと、ドイツ金利低下からくる下押し圧力に挟まれて方向感が出にくいと予想。一方、豪ドルについては、中国景気減速リスクが意識されやすくなっており、目先は続落リスクが高まっていると指摘した。

  多額の不良債権を抱える伊銀行のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは先週、民間投資家からの資金調達に失敗し、「予防的」資本増強のため政府に支援を求めると発表した。政府はモンテ・パスキや他の銀行に最高200億ユーロを注入する用意を整えている。

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  習近平国家主席は先週開催された中国共産党の中央財経領導小組の会合で、政府目標の6.5%成長を達成することであまりにもリスクが生じる場合、達成する必要はないと発言した。事情に詳しい関係者によれば、債務増大のほか、ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利で世界の状況に関する懸念が強まったためという。

  SMBC信託銀行金融商品開発部シニアマネジャーのシモン・ピアンフェティ氏(東京在勤)は、「市場はトランプと欧州の政治情勢がよりはっきりしてくるのを待っている」とし、今週は極めて静かな週になると予想。「これらはグローバルな地政学的情勢に対する二つのメーンテーマだ」と話した。  

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