債券相場は下落。日本銀行がこの日の金融調節で長期国債の買い入れオペを通知しなかったことや、2年利付国債の入札を翌日に控えて売りが優勢となった。

  26日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前営業日比4銭安の149円84銭で取引を開始。午後には一時149円78銭まで下落し、結局は7銭安の149円81銭で終了した。

  現物債市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債が午後に、日本相互証券が公表した前営業日午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)高い0.06%で開始し、その後も同水準で推移した。新発20年物の159回債利回りは1.5bp高い0.58%、新発30年物の53回債利回りは2bp高い0.69%まで売られた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「取引が閑散とする中、明日の2年債入札を控えて全体的に売っておきたいという動きが出やすい」と指摘。ただ、「入札をこなすと、週内に2回、1月4日にも買いオペが入る可能性があり、月末に向けて若干フラットニングしながら買われていく余地がある」とし、「日銀が金利上昇局面でさまざまな措置を取ったことがいまだに効いている。ショートで年を越したいという感覚が持てない」と話した。

  財務省は27日に2年利付国債の入札を実施する。発行予定額は前回と同じ2兆3000億円程度となる。表面利率は0.1%に据え置かれる見込みだ。

過去の2年債入札の結果はこちらをご覧ください。

日銀国債買い入れ

日本銀行本店
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bloomberg

  日銀は今月に入り、8回のオペを実施している。14日には市場の予想に反して残存期間10年超25年以下と25年超の買い入れを増額して行った。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「今日の日銀オペがなかったことで、やや失望の売りが出ている」とし、「14日に超長期ゾーンのオペが入った時点で月内6回の可能性もあったが、利回り上昇に歯止めがかかった形になっており、その必要はないと思う」と指摘。一方、「日銀が金利上昇に対応する姿勢を見せており、それほど大きく動く材料もない」と言い、「環境的には円高圧力でそんなにばたばた売られることもない」としている。

  日銀の黒田東彦総裁は26日、都内で開かれた経団連の会合で講演し、「海外経済の好転が明確になっていくにしたがって、日本の長期金利にも上昇圧力がかかっていく。実際、先月以降、米国の長期金利が大幅に上昇し、その影響から多くの国において長期金利が上昇しているが、わが国の10年物金利は0%程度で安定的に推移している」と述べた。

  パインブリッジの松川氏は、黒田総裁の発言について、「景気に対して強気の発言も出てきたので、来年はそろそろ金利を上げるような話があるのかということも言えなくはない」とした一方で、「どちらかというと時期尚早の金利引き上げの話が出てくるのは避けたいという先週の会見から1週間で大きく変わるということはない」と指摘した。

  黒田総裁は先週の金融政策決定会合後の会見で、2%物価目標の達成は「まだまだ遠い」と述べ、長期金利と短期金利の操作目標の引き上げについて「具体的に議論するのは時期尚早かなというふうに思っている」と言明。今は目標達成に向けたイールドカーブ形成を促すため強力な金融緩和を推進していくことが最も適切だと語った。

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