来週の債券市場では、長期金利に低下圧力が掛かりやすい展開が予想されている。日本銀行による金利上昇に対する抑制姿勢があらためて確認されたことに加え、月末に向けた年限長期化の買い需要など需給環境が良好なことが背景にある。

  今週の長期金利は19日の0.08%を上限に水準を切り下げる展開となった。日銀が19、20日に開いた金融政策決定会合で政策の現状維持を決定した上、黒田東彦総裁が物価上昇の勢いが弱い現状では長期金利の操作目標を引き上げない姿勢を示したことが買い手掛かりとなった。22日には一時0.05%と、1週間ぶりの水準まで下げた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀が利回りの大幅な上昇を抑える姿勢を示したことで、金利上昇圧力が掛かる局面では、今後も国債買い入れの増額や指し値オペが期待できよう」と指摘。「日銀の緩和姿勢が続く中で、来年度の国債発行減額も好感される」とし、しっかりとした相場展開を見込む。

財務省
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  来週の国債入札は、27日の2年利付国債のみ。発行予定額は2兆3000億円程度となる。パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、2年債入札について、「深いマイナス利回りの短期債と比べたお買い得感があり、金融機関の担保需要や海外勢のスワップに基づく買いもあるので、無難に吸収されるだろう」とみる。

  一方、主要な国債入札となる長期・超長期ゾーンは来年1月5日の10年債まで予定がない。来週は日銀国債買い入れオペが2回程度見込まれるほか、年金基金などの投資家から月末接近に伴う年限長期化の買いが長いゾーンを中心に入る見込みだ。

  30日には日銀が「当面の長期国債買い入れの運営について」を発表する。三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「増額で超長期債利回りが下がり、相場のボラティリティが低下している中で、あえて動かしてくることもないだろう」とし、「現行の買い入れ額を維持する」と予想する。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*基本的には年明けに発表される米雇用統計待ち
*週後半は来月の10年債入札が意識される可能性あり、金利が一本調子に下がることもない
*長期金利の予想レンジは0.04%~0.08%

◎三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長
*月末のデュレーション調整も加わるとみられ、相場は下支えされやすい
*当面、日銀がYCCも量も動かさないとみられることも支え
*長期金利の予想レンジは0.02%~0.08%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*取引薄くちょっとした売買で値が飛びやすいが、大きな方向性出るとは考え難い
*日銀が10年債利回りをゼロ%に維持する姿勢は変わっていない
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.07%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*株価が大納会にかけて高値トライも、その場合は金利に上昇圧力が掛かりやすい
*10年債利回りが0.1%に近付くと押し目買い圧力。日銀政策もあり、0.1%が上限
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.09%
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