アジアの短期市場金利が手掛かりになるとすれば、域内の中央銀行はドナルド・トランプ次期米大統領について静観しており、来年は米金融当局に追随して利上げする必要はないだろう。

  トランプ氏の歳出拡大方針を受けて米利上げペースの加速期待が高まる中、アジアの新興8カ国の1カ月物金利の平均は11月8日の米大統領選以降に28ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。これに対し、2013年に米金融当局が量的緩和の段階的縮小方針を示してから3週間の上昇幅は126bpだった。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのアジア外為・金利戦略共同責任者、クラウディオ・パイロン氏は、域内金融当局が通貨防衛のために利上げする必要がないことの証拠だと受け止めている。

  15年後半の韓国ウォンや台湾ドルの下落を正確に予想していたパイロン氏は「米当局が利上げしたらわれわれも引き上げる必要があると当局者が述べた国は、アジアでは一国もない」と指摘し「私なら現状について混乱や破壊的といった表現は使わない」と付け加えた。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)が今月14日に利上げを決め、来年の利上げ回数見通しを2回から3回に上方修正した翌日、韓国とインドネシアの中央銀行は政策金利を据え置いた。タイ中銀も21日に政策金利据え置きを決めており、フィリピンと台湾の金融当局も22日の会合で同様の行動を取ると予想されている。

  ブルームバーグの調査によれば、アジアの新興国の中銀で来年利上げが見込まれるのはフィリピンだけ。

原題:Trump Shock Far From Taper Tantrum Redux for Asian Money Rates(抜粋)

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