22日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=117円台後半で推移した。海外のクリスマス休暇や日本の3連休を控える中、米大統領選後の米国債利回りの上昇が今週に入り一服していることなどを背景に、ドルは上値の重い展開が続いた。

  午後3時55分現在のドル・円は前日比0.1%高の117円69銭。朝方に付けた117円41銭から午後に入って一時117円75銭まで水準を切り上げた後は、やや伸び悩んでいる。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1271.87。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、ドル・円相場について、クリスマス休暇を控えて、「市場参加者が減って小動きとなっている。実需の売り買いで振れる感じ」と指摘。もっとも、「グローバルのテーマは何も変わっていない。トランプ次期政権の政策がどうなるかと相場にどう影響するかがメーン」と説明し、「トランプ政権は投資資金を世界中から米国に向かわせ、株・不動産などの資産価格を押し上げようとしている。ドル高・株高・金利上昇の方向」と述べた。

  トランプ次期大統領の政権移行チームは21日、貿易交渉での革新的戦略に関する大統領への助言や米製造業の能力などの評価をめぐる他機関との連携などの役割を担う「国家通商会議(NTC)」をホワイトハウス内に新設すると発表。カリフォルニア大学アーバイン校の経済学教授で中国の貿易慣行を頻繁に批判してきたピーター・ナバロ氏が、大統領補佐官兼「通商産業政策ディレクター」としてNTCを率いる。

  ドイツ証の小川氏は、ナバロ氏がNTCのトップに就任することで、「貿易はタカ派になる見込み」と予想。輸入に課税し、輸出は減税する新政権の国境税調整案に関しては、「試算ではドルを15%切り下げるのと同じ効果がある。米国の輸出競争力を強めるのでドル高への耐性が強まるだろう。貿易収支改善はドル高要因となる」とみている。

  今晩の米国市場では、7-9月期の国内総生産(GDP)確定値、11月の耐久財受注、個人所得・支出などが発表される予定。ブルームバーグ予測調査によると、GDPの市場予想は前期比年率3.3%増が見込まれている。速報値は同2.9%増だったが、改定値で同3.2%増に上方修正された。

  来週のドル・円見通しについて、三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームは、年末年始で実需筋の動きが限定的となる一方、クリスマス休暇明けの海外投資家のドル買い圧力を鑑みると、ドル・円の下値余地は限定的と分析し、117円00銭~118円50銭のレンジを想定している。

  前日の米国市場では、在庫の増加を受けて、原油先物相場が下落。インフレ期待がやや後退し、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)低下の2.54%で終了した。米国株は小反落した。22日の東京株式相場は小幅続落。TOPIXは前日比0.1%安の1543.82で取引を終えた。

クリスマス
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、金利や原油が下がるなどクリスマス休暇前のポジション調整のような動きの中、これまで進んできたドル高がちょっと巻き戻されていると指摘。「基本的に、大きなトレンドの変化を示唆するような動きではないと思う。ユーロについても、動きとしては自律的な反発というところではないか」と述べた。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.0444ドル。朝方に付けた1.0424ドルからややユーロ高・ドル安に振れている。

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