政府が22日閣議決定した2017年度予算案の防衛費は、米軍再編経費などを含む総額で過去最大の5兆1251億円となった。16年度当初予算比では1.4%増で、12年末の安倍政権発足後5年連続の増加。北朝鮮の弾道ミサイルに対応する防衛体制や、尖閣諸島周辺など島しょ部への攻撃に対する備えを強化する内容だ。

  ミサイル防衛に関しては、日米両政府が共同開発している新たな海上配備型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の購入費147億円を盛り込んだ。

  島しょ部防衛に関しては、艦艇への対処能力を向上させるため、地対艦誘導弾の改良型や、哨戒機用の新空対艦誘導弾の開発に計115億円を計上。加えて沖縄に司令部を置く航空自衛隊の「南西航空混成団」は「南西航空方面隊」に格上げする。自衛隊機の緊急発進回数の過半数を占める同地域の防空体制の充実を目的とした部隊の増強に伴う措置。また探知能力を向上させた新型潜水艦1隻分の建造費用に728億円を充てる。

  このほか米軍の駐留関係経費に総額3836億円を計上する。このうち基地従業員の労務費などいわゆる「思いやり予算」は1962億円。また在日米軍の再編関係経費に2413億円、沖縄の負担軽減を目的とするSACO関係経費に35億円を充てる。

  同時に閣議決定した16年度第3次補正予算案には、防衛省関係で1706億円を計上。17年度当初予算の概算要求に盛り込んでいた迎撃ミサイル「PAC-3」改良型の導入費、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」も含めた将来の弾道ミサイル防衛強化のための調査研究費などを盛り込んだ。防衛省は北朝鮮が今年20発以上という「過去に例を見ない頻度」でミサイルを発射しており、「最大限早期に事業を推進」するとした。

  17年度は海上保安庁の予算も16年度当初比12%増の2106億円に増額。特に巡視船艇・航空機などの整備費は同56%増の484億円と大幅に増やした。安倍首相は21日開いた閣僚会議で、尖閣諸島周辺への中国船の領海侵入が続いていることに触れ、海上保安庁の「体制強化に緊急的に着手する」と語った。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE