22日の東京株式相場は小幅続落。欧州の銀行問題に対する懸念が広がり、銀行や保険など金融株が安い。精密機器や海運など景気敏感株の一角も軟調。半面、一部アナリストが目標株価を上げた富士重工業など自動車株のほか、繊維など一部素材株は堅調で、株価指数の下げは限定的だった。

  TOPIXの終値は前日比1.12ポイント(0.1%)安の1543.82、日経平均株価は16円82銭(0.1%)安の1万9427円67銭。

  ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員は、「市場参加者が減る中、さらに上を買う目新しい材料もなく、きょうの下落は必然」と言う。一方、欧州の銀行問題やドイツでのテロ事件、中国の理財商品の破たん懸念などネガティブ材料はありながら、年末特有の高揚感に包まれており、年内最終週は相場の余熱で「掉尾の一振となる可能性がある」とも話した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  欧州司法裁判所は21日、過剰な住宅ローン金利を支払った借り手が払い戻しを請求できる権利を認定した。これを受け、スペインの複数の銀行は、住宅ローン利用者に数十億ユーロの払い戻しを余儀なくされるとの懸念から株価が急落。また、50億ユーロの増資計画が失敗するとの懸念があるイタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナにも悪影響が及んだ。

  みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、「モンテ・パスキの資金調達が計画より遅れていることは欧州全体にとって大きな問題。最終的に救済されるとしても、支援体制が万全でないとみられると、リスクになり得る」と指摘。欧州の銀行問題が「リスクオフのトリガーにならないかどうか、見極めたい」としている。

  クリスマスを前にした海外市場のリスク回避的な動きも、きょうの日本株にとってマイナスとなった。21日の米S&P500種株価指数は0.3%安と3営業日ぶりに反落し、米国原油在庫の予想外の増加を受けたニューヨーク原油先物は1.5%安、銅先物も1カ月ぶりの安値で引けた。

  東京市場も3連休を控えているとあって、きょうの日本株は持ち高調整の売りが先行。日経平均は午前の取引で一時116円安まで下げた。ただし、堅調な米国景気や先高観の強さからその後の売り圧力は限定的で、大引けにかけ一段と下げ渋り、きょうの高値で終えた。岡三証券の阿部健児チーフストラテジストは、下がっても「日本銀行のETF買い入れ期待が下支えするほか、個人投資家の押し目買い意欲も強い」と指摘する。米国で21日に発表された11月の米中古住宅販売件数は、年率で前月比0.7%増の561万戸と市場予想に反し増加した。

  東証1部の売買高は18億7138万株、売買代金は2兆1591億円。代金は前日から11%減った。上昇銘柄数は852、下落は990。東証1部33業種はその他製品、保険、精密機器、海運、銀行、電気・ガス、小売など17業種が下落。金属製品や鉱業、繊維、石油・石炭製品、ガラス・土石製品、ゴム製品、非鉄金属など16業種は上昇。

  売買代金上位では、米国での内視鏡をめぐる一部月刊誌報道があったオリンパスが大幅続落し、任天堂やジャパンディスプレイ、利益計画を減額した小野薬品工業も安い。半面、野村証券が高成長や株主還元余地を評価し、目標株価を上げた富士重工業が堅調。三菱自動車やホンダ、アドバンテストやコナミホールディングス、SUMCOも高い。

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