数カ月前には考えにくかったことだが、米国がロシアに科した制裁はほぼ確実に解除されると大半のエコノミストがみている。

  ロシアによるウクライナ・クリミア侵攻への抗議として、米国は2014年に制裁を科した。ブルームバーグがまとめた調査では、55%が1年以内にこの解除が始まると予想。10月調査の10%から上昇した。予想中央値に基づくと、制裁が解除されればロシアの経済成長率は来年、国内総生産(GDP)にして0.2ポイント、2018年は同0.5ポイント押し上げられる見通し。

  11月の大統領選挙をドナルド・トランプ氏が制して以来、米国の政策は大転換を迎えるとの見方が強まっている。トランプ次期大統領はロシアとの関係を修復するとの公約をどのように実行するか、具体的な計画を示していないが、次期政権のプリーバス首席大統領補佐官は今月、制裁を維持するとの確認を避けた。欧州連合(EU)は今週、対ロ経済制裁の半年延長を決定。米財務省は20日、既存の対ロシア制裁を拡大し、対象となる人物と機関を追加した。

  ニューヨークの4CASTーRGEで新興市場責任者を務めるレイチェル・ジエンバ氏は、「EUの消極的な姿勢もあり、米政府がすぐに制裁を緩和するかどうかはまだ不明だが、方向として制裁緩和、もしくは執行緩和に向かうことは資金コストの低減につながる」と分析。「マクロ的な影響は短期より中期の方が大きくなるだろう。解除はすでに進行中の金利低下トレンドを促すからだ。より長期においては、投資の選択肢が増えることになる」と述べた。

  ロシアのプーチン大統領をオバマ米大統領より優秀なリーダーだと称賛したトランプ氏はこれまで、ロシアのクリミア併合を認め、制裁を解除する方向で検討する可能性があると発言。今年の米選挙が共和党に有利になるようロシアが介入したとの懸念が広がっているものの、トランプ氏はすでに閣僚人事でロシアに対するアプローチを明らかにしている。同氏はマイケル・フリン氏を国家安全保障問題担当補佐官に、エクソンモービルのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)を国務長官に起用し、親ロ派で政権の陣容を固めようとしている。

原題:Trump Seen Paying Off for Putin With Sanctions Relief Coming (1)(抜粋)

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