イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの50億ユーロ(約6130億円)相当の増資計画は、投資家需要を十分に呼び込めず、政府による救済が必要になる可能性が高い。事情に詳しい複数の関係者が指摘した。

  モンテ・パスキが21日の取締役会終了後に発表したところでは、期待されるアンカー投資家はこれまでのところ増資に関心を示していない。一方、一般投資家と機関投資家が合計で約25億ユーロ相当の債券の株式転換に応じたことで、約20億ユーロの資本調達が可能になる。

  事情に詳しい複数の関係者によると、カタールの政府系ファンドも投資を検討していたが、増資引き受けの確約には至っておらず、増資に応じることを検討している他の機関投資家は、アンカー投資家から10億ユーロを調達できることが資金を投じる条件になると示唆している。

  モンテ・パスキの存続可能性をめぐる不安が高まる中で、同行は21日の届け出で流動性が底を突く時期が4カ月後と、従来想定していた11カ月後よりも近いことを明らかにした。同日のミラノ株式市場で同行の株価は急落し、12%安の16.30 ユーロで終了。年初来では約87%下げている。

  スウェドバンクのストラテジスト、パール・マグヌソン氏は21日のリポートで、「モンテ・パスキによる民間資本の調達努力に関するこれまでの報道には非常にがっかりさせられる。政府の介入が日に日に近づいているようだ」と指摘。政府による介入は「株主と劣後債保有者に損失を強いることになり、それ自体が大きな懸念になる」との見方を示した。

  モンテ・パスキの劣後債をめぐり市場が織り込むリスクも過去最悪となっている。ブルームバーグが集計したデータによれば、2019年3月満期の劣後債5億ユーロ相当の価格は0.06ユーロ安の0.44ユーロと過去最安値を更新。CMAのデータによると、同行の劣後債のデフォルト(債務不履行)に備える期間5年のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、70%のデフォルト確率を示唆している。

  イタリア政府は今週に入り公的借り入れを最大200億ユーロ増やす承認を議会に求め、モンテ・パスキや他の銀行の救済に備える準備が前進した。

原題:Paschi Falls as Buyers Said to Balk, Making State Aid Likely (2)(抜粋)

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