債券相場は上昇。前日の米国債相場が原油安を背景に堅調に推移した流れを引き継ぎ、買いが先行した。年内に主要な国債入札がなく、需給環境が良好なことや日本株の下落も相場を支え、長期金利は一時1週間ぶりの低水準を付けた。

  22日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比3銭高の149円84銭で取引開始。直後から水準を切り上げ、午後に入ると149円95銭まで上昇。結局は7銭高の149円88銭で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、日銀金融政策決定会合が終わったことで、材料としては来月の米雇用統計まで重要なものがないと指摘。「入札も2年債のみで供給としては限定的。年末にかけては月末のデュレーション調整も加わるとみられ、相場は下支えされやすい」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と変わらずの0.055%で開始。一時0.5ベーシスポイント(bp)低い0.05%と、14日以来の水準まで下げた。その後は再び0.055%を付けている。

  超長期債は軟調。新発20年物の159回債利回りは1.5bp高い0.57%、新発30年物の53回債利回りは2.5bp高い0.68%まで売られた。

  21日の米債相場は上昇。米10年国債利回りは2bp低下の2.53%程度で引けた。原油相場下落でインフレ期待が抑えられるとの見方が買い手掛かり。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は1バレル=52.49ドルに下げて終了した。この日の東京株式相場は下落。日経平均株価は0.1%安の1万9427円67銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「ドル高がピークアウトして、日経平均株価も安く、金利の低下圧力になっている」と述べた。

日銀国債買い入れ

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg via Getty Images

  日銀はこの日の金融調節で、長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「5年超10年以下」が4100億円、「物価連動債」が250億円と、ともに前回と同額だった。

日銀国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  一方、超長期ゾーンのオペの通知はなかった。先週は超長期債利回りの上昇を抑えるため、異例の対応とともに10年超の買い入れを増額。すでに4回実施しており、今月は従来通り5回か、6回に増えるかどうかが注目されている。バークレイズ証の押久保氏は、「来週にかけて市場の注目は10年超オペが果たして月6回入るのか、5回にとどまるのかという点になる」と話した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日銀が先週不規則に2回の超長期債オペを打ったため、月5回ペースを維持するか、6回に増やすのか見方が混在していると指摘。「市場はどちらかと言えば月5回の方が多そうだ。14日のオペ増額に加え、月6回ペースに引き上げるならば、日銀が現状の相場にかなりハト派的なスタンスを取っていることになる」とみる。

来年度発行計画

  朝方発表された2017年度の国債発行計画によると、毎月の入札を通じた国債の市中発行額は141.2兆円と前年度を下回る。2年債と5年債がそれぞれ毎月2.2兆円で年26.4兆円ずつ、10年債は月2.3兆円で年27.6兆円、20年債は月1兆円で年12兆円、30年債は月8000億円で年9.6兆円。40年債は奇数月に5000億円、年3兆円発行する。

  バークレイズ証の押久保氏は、発行計画について、「マイナス金利の短いゾーンの需要が減ってきているというところで、そこのところを中心に全般的に減らしたという印象」と分析。「国債発行の減額が決まったことによって、日銀がそれに合わせて4月からきっちり買い入れ減額をしてくるかというところが焦点になってくる」と話した。     

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