米連邦準備制度理事会(FRB)が14日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の最新経済予測には、どこか奇妙な部分がある。

  四半期ごとにまとめられる最新予測のうち、当局者の金利予想を点で示した「ドット・プロット」(金利予測分布図)では、2017年の利上げ回数見通しが3回と、それまでの2回から引き上げられた。この上方修正はサプライズとなり、1年ぶりとなる利上げ決定と相まって、株価を過去最高水準から押し下げる一方、債券利回りとドル相場を押し上げた。

  だが、経済指標の予想にはほとんど変化はなかった。17年の実質国内総生産(GDP)伸び率見通し中央値は2.1%と、9月の前回予測からわずか0.1ポイント上方修正。17年末時点の失業率見通しも4.5%と9月予測の4.6%から0.1ポイントの修正にとどまり、17年の個人消費支出(PCE)価格指数は1.9%上昇に予想が据え置かれた。

  スタンダードチャータードの米国担当シニアエコノミスト、トーマス・コスターグ氏(ニューヨーク在勤)は「全体像は極めて一貫性を欠く」とコメント。「ドット・プロットの意義を損なう方向に作用するもので、どんなメッセージを伝えようとしているのだろうか」と語った。

困惑の種

  FOMC参加者の経済予測に込められた矛盾点について、一部エコノミストはその背景にあるのが何なのか、当局者の意図を示す一段と真実に近いシグナルはどれなのかと困惑気味だ。ドット・プロットを見ると、タカ派的なメッセージが浮かび上がり、経済のわずかな改善にも金融政策の引き締めで対応する用意が増している様子がうかがわれる。他方で、据え置き同然となった経済指標の予想は、金利調整に忍耐強い態度で臨むとした過去の路線に沿ったものなのだろうか。

  ウェスタン・アセット・マネジメント(カリフォルニア州パサデナ)の運用担当者、ジョン・ベロウズ氏はこうした矛盾点の一因について、トランプ次期米政権の下で拡張的な財政政策が講じられるとの見通しによるものかもしれないと説明。その上で、こうした見通しはFOMC参加者の金利見通しには反映される一方で、経済指標の予想は大きく変更されることはなかったとの見方を示した。

  スタンダードチャータードのコスターグ氏はまた、FOMC参加者が大統領選以降の株価上昇を見通しに組み込んだ可能性があると分析する。大統領・議会選の投票が行われた11月8日から、12月のFOMC会合初日の13日までに、米S&P500種株価指数は6.2%上昇していた。

FOMC interest-rate projections have moved upward
FOMC interest-rate projections have moved upward

原題:Fed Blurs Intentions as Dots Drift Away From Economic Forecasts(抜粋)

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