21日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が反落。年内の主要イベントを終え、ホリデームードが広がる中、日本株の下落や米長期金利の低下を背景に売り圧力が掛かった。

  午後4時1分現在のドル・円相場は前日比0.3%安の117円49銭。輸入企業の買いが指摘される中、仲値にかけては118円07銭までドル買い・円売りが進んだ。その後は米長期金利と共に伸び悩み、午後に日本株がマイナスに転じたのに伴い下げ幅を拡大。欧州時間にかけて一時117円40銭まで値を下げた。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「イベントを通過し、外資系は12月決算が多く、クリスマス休暇前なのでポジション調整が出やすい」と指摘。一方で、「取りあえずトランプ次期大統領就任前後にドル高値を試す見通しで、120円台前半まで想定している」と語った。  

  米10年債利回りは、アジア時間21日の時間外取引で2.55%に下げている。朝方には2.58%まで上昇する場面が見られたが、その後じりじりと低下した。21日の東京株式相場は反落。日経平均株価は50円04銭安(0.3%安)の1万9444円49銭で終了。一時100円近く上げた後、下げに転じた。

  前日の海外市場では、日本銀行の黒田東彦総裁の円安容認発言を受けた円売りの流れから、一時118円24銭と2営業日ぶりの水準までドル高・円安が進行。その後も米長期金利の上昇を背景に上値を試す場面が見られたが、米国時間後半は米金利と共に伸び悩んだ。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、商いが薄い中でフローが入った方向に動きやすくなりがちだが、基本的にはドル・円は「押したら買いで、118円台で売る感じになる」と指摘。今後については「米株高がそこまで世界を引っ張るのか、そして通貨安に対してどこまで新興国が耐えられるかが注目」とした上で、クリスマス休暇明けは、足元で一服している米金利高とドル高が再開することになりそうと予想した。

  内閣府がこの日発表した12月の月例経済報告で、「景気は一部に改善の遅れもみられるが、 緩やかな回復基調が続いている」とし、総括判断を1年9カ月ぶりに上方修正した。

  一方、ブルームバーグ調査によると、この日発表される10月の米中古住宅販売件数の予想中央値は前月比1.8%減の年換算550万戸(10月は同2%増の同560万戸)となっている。また、22日には7-9月の国内総生産(GDP)改定値や11月の耐久財受注、個人消費支出などが発表される。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)など年内の大型イベントを通過し、投資家の視線が年明けの米経済指標やトランプ大統領就任へ向かう中で、「あえてこの時期に積極的に取引を仕掛ける必要性は見当たらない」と説明。半面、金利上昇で住宅販売の落ち込みを懸念する声がある中で、米中古住宅販売が不安を後退させるなら、「なかなか2万ドル達成を果たせないでいるダウ平均の上昇を通じて、為替市場に影響を及ぼす可能性はある」と指摘した。

  ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.0352ドルと2003年1月以来の水準までユーロ安・ドル高が進行。この日の東京市場では1.1.03ドル台後半から一時1.0419ドルまで強含んだ。

  イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは50億ユーロ相当の増資を年内に完了することを目指しているが、失敗に終わる可能性が高まっている。事情に詳しい複数の関係者によれば、期待されるアンカー投資家が二の足を踏んでいるほか、これまでに株式への転換に応じた債券保有者もごくわずかという。

  クレディ・アグリコルの斉藤氏は、いずれ欧州中央銀行(ECB)のテーパリング(量的緩和の縮小)も始まるため、一直線に行くわけではないが、来年は欧州の政治イベントがあり、ユーロ・ドルが「パリティ(等価)に行ってもおかしくないだろう」と指摘。一方で、年末はレパトリエーション(自国への資金回帰)で「ユーロは買われやすいはず」と話した。

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