三井住友フィナンシャルグループは2017年の資金運用で外国債券への投資拡大を検討している。米国の利上げを契機に一段の利回り拡大が期待できるためだ。マイナス金利政策下の日本国債への投資を手控える中、外債保有残高が国内債を上回る可能性も出てきた。

  三井住友Fの宮田孝一社長はブルームバーグとのインタビューで、外国債券について「アメリカのトレジャリーへの投資はチャンスが出てくる」と述べた。政策金利が徐々に引き上げられる見通しとなっている米国の債券市場は、「一定の金利がある世界に変わるので選択肢としての重要性は高まる」と語った。

宮田孝一社長
宮田孝一社長
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  国内金融機関は超低金利の環境下で運用収益の改善を目指し、日本国債の残高を減らすなど資産構成(ポートフォリオ)見直しを進めてきた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今月の会合で利上げを決定、来年の想定利上げ回数も増やした。こうした中、三井住友Fは米国債を中心に外債投資をより積極化する。

  宮田氏は「国内の金利が変わらない中、日本国債と外債の保有残高の逆転はあり得る」と述べた。今後の外債投資の具体額については言及しなかった。三井住友Fは16年9月末で日本国債6兆2500億円、外債5兆6000億円を保有、それぞれ半年前より23%、14%減少した。債券投資に伴う金利急上昇(価格急落)のリスクには満期保有などで対応できる。

米利上げ「市場は混乱せず」

  11月上旬に1.8%台だった米10年債利回りは、トランプ次期大統領の選出や米利上げを受け、今月20日までに2.56%に上昇。一方、日本銀行が長短金利操作を導入した日本の10年国債利回りは同期間でマイナス0.05%前後からプラスの0.065%への上昇にとどまっている。

  クレディ・スイス証券の三浦毅司アナリストは、「米金利上昇は邦銀の外債投資増加を通して日本の国債金利上昇をもたらす可能性がある」と16日付リポートで指摘。クレディS証の予想では米国10年国債利回りは17年12 月には3%程度まで上昇すると予測している。

  宮田氏は米金利上昇を受け、債券・金利市場が「混乱する可能性は少ないと思う」と述べた。日本のマイナス金利拡大の有無については、原油価格の回復や為替の円高修正が進んできたことなどを指摘し、「そんなに深掘りが急がれる環境にはない」との見方を示した。

  三井住友Fは16日、宮田社長が持ち株会社の会長に、国部毅取締役(三井住友銀行頭取)が社長に就任し、銀行頭取の後任は高島誠取締役とする新経営体制を発表した。すべて17年4月1日付。宮田氏は銀行会長を兼務する。

  三井住友Fの株価は22日午前10時54分現在、前日比79円(1.7%)安の4556円で推移している。

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