スマートフォン画面用の部品を供給するジャパンディスプレイ(JDI)は21日、筆頭株主で政府系ファンドの産業革新機構から総額750億円を調達すると発表した。有機ELメーカーの子会社化など将来の成長投資に充当する。

  関東財務局への届け出文書によると、JDIは転換社債450億円を発行、革新機構が全額これを引き受ける。また革新機構から劣後特約付き借り入れとして300億円を調達する。JDIは、有機EL事業を手掛けるJOLED(ジェイオーレッド)の株式を革新機構から譲り受け、株式保有比率を現在の15%から51%に引き上げて子会社化することも明らかにした。

  JDIは、現在も36%の株を保有する産業革新機構が主導してソニー、東芝、日立製作所の中小型液晶パネル事業を統合し、2012年に事業を開始した。14年に上場したが、前期(16年3月期)まで2期連続の純損失となっており、4-9月期も167億円の赤字。売上高の半分超を米アップルが占める。

  BGCパートナーズの日本株セールス担当マネジャー、アミール・ アンバーザデ氏(シンガポール在勤)は資金支援の背景として、JDIの手元資金が減少していた点を指摘、これら企業を破綻させないという政治的要因もあったとの見方を示した。

  JDIは転換社債により得られる資金をJOLEDが手掛けている印刷方式による有機ELの開発に充当し、低コストで量産化が可能となる中型から大型の有機ELディスプレーの早期事業化を目指すとしている。

  JOLEDは15年1月にソニーとパナソニックの有機EL事業を統合して生まれた。現在は革新機構が株式の75%、ソニーとパナソニックが各5%を保有している。

  JDIの主力分野であるスマートフォン向けは韓国や中国、台湾メーカーとの競争が激化しており、需要変動も大きい。このためJDIは車や仮想現実(VR)端末など、主力のスマホ以外の領域に成長機会を求めている。11月の発表によると、21年にはスマホ以外の領域が50%以上の生産比率となる事業構造を目指す。人件費の削減も進めており、17年3月末の国内外の従業員数は前期末比3割減の約1万1000人となる見込み。

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