21日の東京株式相場は反落。為替市場での円安一服に加え、テクニカル指標からみた短期過熱感も根強く、午後の取引で売りが優勢となった。精密機器株の下げが目立ち、鉄鋼や化学、海運株など景気敏感セクターが安い。電力や建設、医薬品、小売株など内需セクターも売られた。

  TOPIXは前日比7.42ポイント(0.5%)安の1544.94、日経平均株価は50円4銭(0.3%)安の1万9444円49銭。

  ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者(CEO)は,「トランプ次期米大統領の良い面ばかりを評価する世界的なユーフォリアは年末に終了するとみられる。次期政権の政策で日本にプラスに働くものはほとんどない」と指摘。保護主義的な通商政策は、米国向けに輸出を行う日本企業にマイナスと先行きに慎重な見方を示した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの日本株は、前日に日本銀行が景気判断を上方修正するなど良好な国内景況感に加え、為替や海外株の落ち着きから日経平均は午前に一時100円近く上げ、1万9592円90銭と昨年12月18日以来の日中高値を更新した。しかし、朝方の買い一巡後は失速。午後1時30分以降は先物主導で下落傾向が明確になった。

  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「上昇が鈍ってきたところで散発的な売りが出ている。海外投資家がクリスマス休暇に入り、買い手が不足しているため、若干の売りで下落の幅も出やすい」と言う。

  日本銀行の黒田東彦総裁は20日夕の会見で、足元で急速に進んだ円安について、現在の水準は2月ごろと同じで「別に驚くような水準とも思っていない」と述べた。同日の海外時間帯にドル・円相場は一時1ドル=118円20銭台と日本株終値時点の117円69銭から円安方向に振れたが、きょう午後は117円40銭台まで円が強含んだ。野村証券投資情報部の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジストは、日銀総裁発言は「当初は円安形成のような印象を与えたが、その後に否定したため、円安誘導の意図はないと受け止められてしまった」とみていた。

  東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは20日時点で152%、日経平均の25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率は5%と短期過熱圏に位置したままだ。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「日銀のETF購入などで値幅調整しづらい分、日柄調整が必要な段階」と話している。

  東証1部の売買高は21億249万株、売買代金は2兆4195億円。上昇銘柄数は471、下落は1417。東証1部33業種は精密やその他製品、電気・ガス、鉄鋼、建設、医薬品、化学など28業種が下落。石油・石炭製品、パルプ・紙、卸売、保険、輸送用機器の5業種は上昇。

  売買代金上位では任天堂やパナソニック、ブイ・テクノロジー、NEC、オリンパスが安い。半面、産業革新機構がきょうにも支援を正式決定とNHKが報じたジャパンディスプレイのほか、野村証券が投資判断を上げたアドバンテスト、同証が目標株価を上げた日産自動車は高い。

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