トランプ次期米大統領の閣僚人事について、上院の民主党議員は指名承認の阻止が恐らく不可能であることは分かっているだろう。だが、同党からみて過激と考えられる閣僚候補に対しては、討議時間を引き延ばし、大統領就任式が行われる来年1月20日よりも承認をずっとずれ込ませる計画だ。

  上院は通常、閣僚人選に当たって大統領にかなりの自由裁量を認めてきた。しかし、トランプ氏が起用を決めた人々の多くに対しては、リベラルなグループから抗議の声が上がっている。

  一方、共和党からトランプ氏の人選に反対する動きはこれまでのところ皆無だ。そして同党議員の造反がなければ、民主党が指名承認を阻むことはできない。

  共和党のロイ・ブラント上院議員は「現時点で知られていない何らかの情報が指名承認の公聴会で明らかとならない限り、全員の指名が承認されると考えられる」と語った。

  民主党としては、承認阻止では全敗する公算が大きいとしても、各委員会での長時間にわたる公聴会や上院本会議での討議を通じ、トランプ氏の人選が同氏の選挙戦でのポピュリズム(大衆迎合主義)のメッセージから最も乖離(かいり)している部分を浮き彫りにする機会を見いだすだろう。

  これまで最も議論を引き起こしている人選は、2013年にロシアのプーチン大統領から「友好勲章」を授与され、次期国務長官に起用されるエクソンモービルのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)や、米ゴールドマン・サックス・グループの元バンカーで、財務長官に起用のスティーブン・ムニューチン氏らだ。さらに、かねてメディケア(高齢者向け医療保険制度)の民営化を唱え、医療保険制度改革法(オバマケア)に反対してきたトム・プライス下院議員の厚生長官起用も論争の的だ。

  閣僚人事の指名承認阻止には、上院の民主党議員全員が反対に回った上で、共和党から少なくとも3人の造反が必要とされる。

原題:Democrats Eye Senate Gantlet for Trump Picks They Can’t Stop (1)(抜粋)

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