レバレッジとカウンターパーティーリスク、償還期日をめぐるミスマッチ。中国の記録的な債券強気相場はバブル形成のあらゆる兆しを備えていた。

  緩和的な金融環境で警戒感が薄れていた中で、流動性の引き締めだけで流れが反転した。米利上げペースが加速するとの見通しが、中国の資金調達コスト上昇で生じていた圧力を一段と強め、10月に始まった債券市場の調整は混乱に転じた。債券先物は先週、過去最大の値下がりとなり、10年物国債利回りは2年ぶりの大きな上昇を記録、金利スワップレートは1年8カ月ぶりの高水準に達した。

  債券の値下がりが広がるにつれ、売りが銀行やファンド、証券会社の間に連鎖反応を引き起こした。リスクの多くは、銀行向けに資産運用商品を手掛ける投資会社が選好する戦略に起因している。借り入れた短期資金を債券投資に充てる戦略だ。

  低水準の短期市場金利がこうした戦略に基づく取引を実入りの良いものにしていたが、それも8月に中国人民銀行(中央銀行)が金融システム内の行き過ぎたレバレッジを抑制しようと資金供給を引き締め始めるまでのことだった。

  貸し手が資金の返済を求め始め、資金提供をやめたことで、投資会社は保有資産の圧縮とデリバティブ(金融派生商品)を使っての損失ヘッジを強いられている。

  平安証券の債券調査責任者、石磊氏(北京在勤)は、「こうした銀行以外の金融会社には問題が2つある。1つは資金調達市場で冷遇されていることで、もう1つは銀行がこうした会社に委託しており、銀行側が資金を取り戻そうとすれば、一斉行動が生じるのは当然ということだ」と語った。

  債券市場がこれまで築いてきたのは、緩めの資金調達環境に全面的に頼ったレバレッジの連鎖であり、今回の混乱が市場のもろさを露呈させた。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行の謝棟銘エコノミスト(シンガポール在勤)はリポートで、「先週目にした市場の混乱は、もはや流動性逼迫(ひっぱく)の結果ではなく、信用機能停止の結果だ」と指摘。「債券価格の崩壊が最終的にカウンターパーティーリスクを露呈させた。信用を取り戻すには、一定の時間を要するかもしれない」と予想した。

  サードパーティーが運用を担当する資産運用商品3兆元(約51兆円)相当について、銀行がこれまでに償還を受けたのはわずか10%程度にすぎず、まだ値下がりの続く余地があると石氏はみている。

原題:China’s Bond Rout Triggers Turmoil as Leverage Curbs Bite (1)(抜粋)

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