スポーツ専門ケーブルテレビ(CATV)局ESPNはかつて、米ウォルト・ディズニーの年間営業利益の70%余りを稼ぎ出し、同社の最も魅力ある優良資産と考えられていた。

  しかし今は加入者数がこの11年で最も少なく、ディズニー株がこの5年間で最悪の年間騰落率となった原因のほとんどがESPNだ。RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、スティーブン・カホール氏やリバティー・メディアのジョン・マローン会長らは、ディズニーがESPNの切り離しを検討していることを示唆している。

  マローン会長は先月、米経済専門局CNBCの番組で「ディズニーはESPNを分離するだろう」とし、「ESPNは米配給会社に保有・保護される可能性が高い」と語った。

  ESPNの問題は、現時点で企業を合併に駆り立てているのと同じ要因だ。つまり視聴率低下やネットフリックスやスリングTVをはじめとする低コストのインターネットサービスとの競争だ。こうした厳しい状況の下でタイムワーナーはAT&Tの傘下入りを決め、ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)がテクノロジー企業の買収やESPNの新しい配信方法を探っているのもそうした圧力を受けているためだ。

  米メディア業界を取り巻く環境の変化の中でESPNは大きなリスクを負っている。9000万人いる有料テレビ会員の1人当たり月間料金は7.21ドルで業界で最も高い。調査会社SNLカガンによると、これは次に料金が高いタイムワーナーのTNT(1.82ドル)の4倍だ。

  アイガーCEOはこうした環境の下で、ESPN番組の契約者を確保する必要に迫られていることを理解している。ESPNに新たな配信方法を採用し消費者に直接サービスを提供する方針をまとめつつある。11月の電話会議で同CEOは「ESPNの将来におおむね強気だ」と語っている。

  ESPNの最大の課題は、伝統的な有料テレビ視聴者が減少し、アメフトといった人気スポーツ番組の視聴率が低下する中で、放映権コストが急速に高まっていることだ。RBCによれば、今年度のESPNの収入は4%増の125億ドルとなる見通し。16年度は横ばいだった。これに対してスポーツ放映権コストは、米プロバスケットボール協会(NBA)との契約が6億ドル増えたことなどにより、17%増の67億ドルに膨れ上がる。

原題:ESPN’s Losing Streak, Media Megadeals Put Disney on Hot Seat (2)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE