中国の債券相場と人民元が下落し、この年末の市場が不安定かつ複雑になっている。高レバレッジの債券市場から資金が流出していることで利回りが急上昇。元安は中国本土からの資本流出を拡大させ、問題を深刻化させる恐れがある。資産運用商品である理財商品を通じて債券の主要な投資家となっている中国の家計が、最終的にコストを負担することになる可能性がある。中国当局には対処する手段があるが、解決は容易ではない。

  ブルームバーグ・インテリジェンス・エコノミクスは、中国の直近の市場混乱の原因と結果、関連性をチャートで解明する。

  債券相場は急落した。指標となる10年物国債利回りは前週に30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、16日には3.4%に達した。週間ベースでは2009年1月以来の大幅上昇だ。

  意図した政策の結果という面はある。中国人民銀行(中央銀行)は短期金利を高めに誘導するため、公開市場操作(オペ)で期間がより長いリバースレポを利用している。レバレッジ急拡大を抑制する取り組みの一環だ。市中銀行が年末の規制要件を満たすため、現金を抱え込んでいるという季節要因もある。

  しかし、全てが中国当局の予測した展開となっているわけではない。人民元の下落が状況を複雑にしている。人民銀は16日、元の対ドル中心レートを1ドル=6.9508元と、08年半ば以来の低水準に設定した。米金融当局が引き締めサイクルを再開したことで米国と中国の金利差は縮小し、人民元への下押し圧力が増している。

  懸念されるのは元安がさらなる資本流出を促し、流動性逼迫(ひっぱく)を深刻化させ、債券市場への圧力が一層強まることだ。中国の11月の外貨準備高は前月末比690億ドル(約8兆1000億円)減と、減少ペースが加速した。

  債券市場が崩れれば、株式市場の場合よりもその影響は重大なものとなろう。債券は企業や地方政府の資金調達源として株式と比べてかなり大きな役割を果たしている上、家計の資産の預け先でもある。

  中国の家計に問題をもたらす恐れがあるのは26兆3000億元(約444兆円)規模の理財商品市場だ。こうした商品の約40%は債券で運用されている。理財商品の大半は償還期限が短いため、市中銀行は深刻なロールオーバーのリスクに直面する恐れがある。

  簡単な解決策はないが、中国当局はこうしたリスクをコントロールする余地を残している。市中銀行に対する人民銀の貸し出しは、資本流出に伴う流動性逼迫を緩和してきた。人民銀はさらなる手段も取り得る。オペでの資金供給の増額や、より踏み込んだ手段としては預金準備率の引き下げだ。

  流動性供給を行うことのマイナス面は、金利低下で米国との金利差が一段と縮小し、それが人民元の下押し圧力を強め、資本流出を拡大させるリスクだ。それでも人民銀にはなお手段がある。毎営業日の人民元の中心レート設定を通じて元安圧力に対抗すること、オフショアの人民元建て金利を押し上げて香港の空売り投資家の動きを妨げること、外貨準備を使って市場に直接介入することだ。人民銀は現在、これら3つ全ての策を講じている。

原題:CHINA INSIGHT: Bonds, Yuan, WMPs - Charting Links to Turmoil (1)(抜粋)

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