20日の東京株式相場は反発し、主要株価指数は約1年ぶりの高値を更新。内外景気の改善期待が強い中、日本銀行が金融政策決定会合の発表文で景気判断を上方修正し、午後の取引で上昇が明確となった。陸運や不動産、情報・通信、小売株など内需セクターが高い。

  TOPIXの終値は前日比3.30ポイント(0.2%)高の1552.36、日経平均株価は102円93銭(0.5%)高の1万9494円53銭。TOPIXは昨年12月17日以来、日経平均は同7日以来の高値。

  明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフ・ストラテジストは、「日銀の景気判断上方修正で材料出尽くしとなり、ドル・円や日経平均は下落すると予想していたが、実際にはドルも日経平均も上昇し、想定以上に基調は強い」と指摘。背景には米国の景気回復に対する確信があり、「米国発の世界景気拡大という投資家の楽観論が相場上昇の息を長くする」とも話した。

東証前の歩行者
東証前の歩行者
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は19、20日の日程で開いた政策決定会合の結果をきょう正午前に公表。現在の量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針を維持した半面、足元の景気については「緩やかな回復基調を続けている」とし、判断を上方修正した。これを受け、ドル・円は1ドル=117円70銭台まで円安方向に戻し、日本株が切り返す一因になった。午前には一時116円90銭台まで円が強含む場面があった。

  米経済の先行きも楽観視されている。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は19日、ボルティモア大学を卒業する学生に向けスピーチし、「労働市場はここ10年近くで最も力強い状況になりつつある」「賃金上昇の加速を示す兆候もみられる」などと指摘した。同日の米S&P500種株価指数は0.2%高と小幅ながら反発した。

  きょうの日本株は、午後に日経平均が1万9500円台まで上昇したとはいえ、午前はマイナスで推移する時間帯が長かった。海外で不穏な動きが相次いでおり、年末にかけてのリスク要因になりつつある。前週の中国による米無人潜水機奪取事件に続き、19日にはロシアの駐トルコ大使がアンカラで銃撃され死亡、ドイツのベルリンではトラックがクリスマスマーケットに突っ込み、多数の死傷者が出た。

  東証1部の売買高は19億2972万株、売買代金は2兆3389億円。代金は前日より9.1%増えた。上昇銘柄数は1230、下落は626。東証1部33業種は陸運や不動産、精密機器、情報・通信、小売、医薬品、建設など19業種が上昇。鉱業や保険、銀行、石油・石炭製品、パルプ・紙、証券・商品先物取引など14業種は下落。銀行など金融セクターは、前日の米国債利回りが低下し、収益改善期待が後退した。
  
  売買代金上位では、ソフトバンクグループやアサヒグループホールディングスが上げ、海外大手パネルメーカーから大口受注があったブイ・テクノロジーは急伸。みずほ証券がスマートフォンゲーム「スーパーマリオラン」の出足は悪くないとし、強気の投資判断を継続した任天堂も高い。半面、第一生命ホールディングスや東京電力ホールディングス、アナリストが投資判断を下げたヤマハ発動機やSUMCOは売られた。東京証券取引所が特設注意市場銘柄の指定を継続した東芝も安い。

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