19日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が下落。米国の利上げ加速観測を背景とした米長期金利の上昇や株高が一服する中、ドル売り・円買いが優勢となった。

  午後3時10分現在のドル・円は前週末比0.5%安の1ドル=117円33銭で、一時117円17銭と2営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。前週末の海外市場では中国が南シナ海で米潜水無人機(ドローン)を接収したとのニュースをきっかけに米長期金利が低下。米国株は売られ、ドル・円は118円台前半から117円半ばまで反落する場面が見られていた。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、欧米がクリスマス休暇を控えて様子見の中、「米金利上昇が止まってドル買いポジションの調整の動き」となっているが、大きな調整にはならないと予想。米10年債利回りが先週に2.6%を付けて行き過ぎ感はあるものの、テクニカル的には2.8%まで上値余地があり、米財政政策出動への期待もある中で、「金利上昇に伴うドル買い優勢の流れは変わらない」とみている。

  週明けの東京株式相場は小幅下落。日経平均株価は9円55銭安の1万9391円60銭で取引を終えた。米10年債利回りは時間外取引で一時前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.57%程度を付け、同時刻現在は2.58%台で推移している。

  米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引非商業部門のドルに対する円の売り越しは、13日時点で6万3429枚と前週の3万3937枚から2倍近くに拡大し、約1年ぶりの高水準となった。

  ブルームバーグの事前調査では、この日から2日間の日程で行われる日本銀行の金融政策決定会合について、全員が現状維持を予想。11月の米大統領選挙後の円安・株高の追い風を受けて、日銀は当面、様子見を続けるとエコノミストはみている。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、日銀会合は基本的に無風で、大きなイベントにはならないと予想。その上で、ドル・円は118円台まで一気に上昇し、120円が視野に入ってきたが、「この節目を抜くにはそれなりに理由が必要という中でやや利食いなどの方が勝っている」と説明。半面、上昇トレンドが明らかな中、「117円台前半はいったん底堅くなりそう」とみている。

  この日は米国時間にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が労働市場について講演する。野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストはリポートで、議長は米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、17年の利上げ想定の中心が3回に上がった理由について「失業率の低下」を挙げており、「自身も3回の利上げ支持してるかどうかのヒントが得られる可能性が高い」と指摘。議長が3回派であることが濃厚となれば、「再び金利上昇、ドル高の動きが強まる」と予想している。

  ユーロ・ドル相場は早朝に付けた1ユーロ=1.0428ドルから一時1.0469ドルまでユーロ買い・ドル売りが進み、同時刻現在は0.1%高の1.0461ドル。先週はドル全面高の中、2003年1月以来の水準となる1.0367ドルまでユーロ安・ドル高が進んでいた。

  BBHの村田氏は、ドルが売られれば、その裏側でユーロは買われるが、「1.05ドルを下回った以上、ユーロは反転よりも下向きの方向ではないか」と指摘。欧州の政治リスクや欧州中央銀行(ECB)のテーパリング(量的緩和の縮小)期待の後退などが重しとなり、来年前半までユーロは下がる見通しで、「パリティ(1ユーロ=1ドル)まで視野に入っている」と話す。

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