輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は11月速報で、3カ月連続の黒字となった。輸出は自動車や鉄鋼を中心に減少したものの、原粗油や液化天然ガス(LNG)などの輸入の減少幅が上回ったのが主な要因。

  財務省が19日発表した貿易統計によると、貿易収支は1525億円の黒字。ブルームバーグ調査の予想中央値(2274億円の黒字)は下回った。輸出は円高を背景に前年同月比0.4%減の5兆9565億円と14カ月連続で減少。為替レートは前年同月比13.5%の円高だった。輸入は8.8%減の5兆8040億円となった。前月は16.5%減だった。

  輸出は中国向けが9カ月ぶりに増加したことなどから減少幅は2015年10月(2.2%減)以来、最小を記録した。同省は、11月の米大統領選後、急速に進んでいる円安の影響について、来月の統計から織り込まれるとの見通しを示した。

  輸出の内訳をみると自動車部品が10.4%増、原動機が11.1%増と好調だった。自動車部品は特に中国向けが23.1%増と大幅に増加。同省は、中国で小型車の自動車取得税の減税措置縮小に合わせた「駆け込み需要」があったと説明している。ガソリン安を受けて自動車販売が好調な米国でも、自動車の輸出額が10%増加した。
 
  輸入は23カ月連続で減少。原粗油やLNGに加えて欧州連合(EU)からの医薬品も38.2%の減となった。一方で、原油のドル建ての輸入単価の伸び率が2年3カ月ぶりにプラスに転じた。同省では原油価格が上がってきており、1、2カ月後に反映されるとみている。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、「世界経済の持ち直しが日本製品に対する需要拡大をもたらし、輸出を押し上げている」とした上で、2017年に入れば円安も輸出のサポート要因に加わり、輸出動向に関しては当面アップサイドで見て良いと予想している。  
 

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