債券相場は上昇。年内の主要な国債入札が一巡し、需給が逼迫(ひっぱく)しやすいとの観測を背景に買い圧力が強まった。日本銀行が実施した国債買い入れオペを受けて中期債が堅調となった一方、超長期債は前週末に買われた反動もあって軟調となった。

  19日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前週末比横ばいの149円57銭で開始。いったん149円56銭まで下げた後は上昇に転じ、16銭高の149円73銭を付けた。午後は伸び悩み、結局3銭高の149円60銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「円安・ドル高の流れが一服する中で、やや株安になっており、金利が上昇しにくい外部環境になっている」上、「今日の日銀オペの結果を受けて中短期ゾーンはしっかりした動きになっている」と説明。一方で、残存期間「5年超10年以下」のオペ結果は強くなかったとし、「長いところに関しては上値が重い」面もあると言う。

  日銀がこの日に実施した買い入れオペの結果は、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率が2.06倍、「3年超5年以下」が2.12倍と、ともに前回を下回った。一方、「5年超10年以下」は3.74倍と、前回から上昇した。

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  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と横ばいの0.075%で寄り付いた後、0.5ベーシスポイント(bp)低い0.07%を付ける場面も見られた。新発2年債利回りは一時1bp低いマイナス0.19%、新発5年債利回りは1bp低いマイナス0.075%まで下げた。

  超長期債は下落。新発20年物の159回債利回りは3bp高い0.60%まで売られた。新発30年物の53回債利回りは一時3bp高い0.695%を付けた。前週末はそれぞれ0.565%、0.665%まで下げた。

  16日の米国債相場はもみ合い。中国海軍が米海軍調査船の潜水無人機(ドローン)を南シナ海で接収したとの報道を受けて上昇したが、利上げ見通しを上方修正する内容の米金融当局者の発言を受けて伸び悩んだ。10年債利回りは前日比1bp低下の2.59%程度。一方、週間ベースでは2013年12月以降で最長の6週連続で上げた。

  この日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル=116円台後半と3営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んでいる。日本株相場は軟調推移となり、日経平均株価は一時前営業日比100円近い下げとなる場面もあった。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「入札をこなして今のところ売り材料もない」とし、「日銀の買いが続く中で、ここからは需給的にタイトニング方向」と指摘。「海外の利回り上昇もいったんは止まっているので、イールドカーブにはフラット(平たん)化圧力が掛かりやすい」とみる。

日銀決定会合

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀はこの日から2日間の日程で金融政策決定会合を開催。ブルームバーグがエコノミスト39人を対象に6-12日に実施した調査によると、全員が政策の現状維持を予想した。会合終了後に黒田東彦総裁が定例会見を行う予定だ。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「今回の日銀決定会合ではトランプ相場を受けたイールドカーブのイメージが注目ポイントになる」と指摘。「10年までのゾーンは堅いが、超長期に関して9月会合時点のままなのか、少し変わっているのかという点でヒントが出ると、長いところが売られる可能性も残る」と話した。

  今月は21日に流動性供給入札、27日に2年利付国債入札がそれぞれ予定されており、主要な長期や超長期ゾーンは来年1月5日の10年債入札までない。

  財務省は来年度の国債発行計画を22日に閣議決定する予算案と併せて公表する見通し。同省幹部はこの日、国債投資家懇談会後の記者説明で1、2、5年債を中心とした減額の要望があったことを明らかにした。一部には特定年限に偏らない減額を望む声もあったという。非常に金利が低い中で政府は発行年限長期化が望ましいとの意見があったとしている。

  バークレイズ証の押久保氏は、「発行計画に関しては、ある程度コンセンサスが固まってきており、だいたいマーケットに織り込まれている」とし、「あまりサプライズにならないのではないか」と指摘。日銀会合については「長期金利のターゲットについて、変更を正当化できるような消費者物価指数(CPI)の改善は見られず、簡単に変えづらい」と言い、「黒田総裁の会見内容が特に差し障りのない内容に終始するのであれば、このまま閑散としながらも金利は低下方向に行きやすい」とみている。 

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