19日の東京株式相場は、日経平均株価が小幅ながら10営業日ぶりに反落。連騰の反動やチャート分析上の過熱警戒感が強い中、南シナ海をめぐる米国と中国の緊張を懸念する売りに押された。為替の円安一服も嫌気され、海運や鉄鋼株など景気敏感セクターが安い。銀行など金融株も軟調。

  TOPIXの終値は前週末比1.61ポイント(0.1%)安の1549.06と3営業日ぶりに反落。日経平均株価は9円55銭(0.1%)安の1万9391円60銭。日経平均は前週末に1年半ぶりの9連騰となっていた。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「中国が米潜水機を返還すると言っているだけに、何事もなかったように問題が収まる可能性がある一方、南シナ海問題が先鋭化する可能性もあり、現時点では着地点が見えない」と話した。

東証内
東証内
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  中国海軍が南シナ海の国際水域で米海軍の無人潜水機を接収したことを受け、16日の米S&P500種株価指数は0.2%安と反落した。米国防総省のクック報道官によると、中国当局は潜水機を米国に返還する。

  地政学リスクが意識され、きょうの為替市場では安全資産の円買いが先行、ドル・円は午後の取引で一時1ドル=117円10銭台まで円が強含む場面があった。16日の日本株終値時点は118円11銭。

  米中情勢や為替動向を懸念する格好で、週明けの日本株は朝方から売りが先行。日経平均は午前の取引で一時100円近く下げる場面もあった。三井住友信託の瀬良氏は、「ECB政策委員会や米FOMCなど重要イベントを通過し、海外勢を中心にクリスマス休暇に向けたホバリング(空中停止)に入った」との見方も示す。

  ただし、前引けから午後にかけては下げ渋る展開。高木証券の勇崎聡投資情報部長は、「午前の日本株が懸念したほど下げなかった安心感もあり、国内投資家は持たざるリスクを意識し、食料品や医薬品など出遅れセクターに買いを入れた」とみていた。19-20日の日本銀行による金融政策決定会合開催の事情もある中、東証1部の売買高は17億3743万株、売買代金は2兆1438億円とそれぞれ前週末に比べ25%、26%減少した。上昇銘柄数は856、下落は1022。  

  東証1部33業種は海運、その他製品、鉄鋼、証券・商品先物取引、非鉄金属、銀行など23業種が下落。海運や鉄鋼など景気敏感セクターは、米中緊張によるシーレーンへの影響、中国での経済活動停滞のリスクが懸念された。医薬品や電気・ガス、食料品、小売、陸運など10業種は上昇。相対的にディフェンシブセクターが堅調。

  売買代金上位では、スマートフォンゲーム「スーパーマリオラン」が不評との見方が広がり、任天堂とディー・エヌ・エーが大幅安。みずほフィナンシャルグループや野村ホールディングス、アルプス電気、三菱重工業、JFEホールディングス、日本郵船も安い。半面、キーエンスやアステラス製薬、花王、大塚ホールディングスが買われ、ドイツ証券が今期利益予想を増額したニトリホールディングスも高い。

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