ストックピッカー(銘柄選別の名手)として受賞歴もある運用者のデービッド・サムラ氏は、市場に買いの好機がほとんどないとの見方から、現金保有比率を上限に近い水準に高めている。

  アーティザン・パートナーズで約330億ドル(約3兆9000億円)相当を運用するサムラ氏は、米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利後に株価が世界的に上昇する中、国際ファンドでの現金比率を約13%と、上限の15%に近づけた。真の企業価値に達したと見なす銘柄を売却しているが、それらを置き換える株式を見つけるのは一段と困難になっているという。

  バリュー投資家のサムラ氏は相場の頃合いを見計らうことができるとは言わないものの、同氏のバリュエーションに関する見識は相場の方向性の手掛かりをしばしば与えてくれる。同氏は2月に買いを再開したと述べたが、このタイミングは世界の株式相場が急激な下げ局面を終了する数日前だった。最近は、サムスン電子やUBSグループといった既に株式を保有している企業の経営改善を支援する方策の追求により多くの時間を費やしている。

  サンフランシスコでインタビューに応じたサムラ氏は「株式相場が今のように幅広く上昇している局面では、著しく割安な証券を探すことは一段と難しくなる」と述べ、ポートフォリオのバリュエーションは「市場に存在する投資機会を大まかに映し出す」ケースが多いと指摘した。

  世界の株式市場の指標であるMSCIオールカントリー・ワールド指数は、2月11日に安値を付けてから20%上昇。予想株価収益率(PER)でみたバリュエーションは先週、約7年ぶりの割高水準に達した。米国株はトランプ氏勝利以降、過去最高値を更新し、ダウ工業株30種平均は一時、2万ドルの大台まであと40ドルに迫った。

  

原題:A $33 Billion Manager Who Bought at Low Shifts to Cash (Correct)(抜粋)

(19日配信記事で、見出しと第2段落の運用資産を訂正します.)
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