ロシアのプーチン大統領の訪日にあわせ両国政府が12件、民間企業などが68件、総額3000億円規模の経済協力事業について合意した。

  プーチン大統領は16日に都内で開催された経済会議「日露ビジネス対話」のあいさつで、両国間の貿易量が減っていることが問題だと指摘し、「新しいイニシアチブを実現しこれまでの協力形式を変えることが必要」と話した。従来のように日本から自動車や機械を輸入するだけでなく経済協力を多様化することが重要との考えを示した。

  日ロ企業間の協力事業はこれまでエネルギー分野が中心。日本政府が公表した資料によると、今回合意された事業はエネルギー分野にとどまらず、対象は医薬・医療、まちづくり、農業、先端技術といった分野にまで広がった。

  このうち三井物産がエネルギー分野で5件、農業やヘルスケア分野で2件と最多の計7件の事業で合意。現在サハリン2液化天然ガス(LNG)事業に共同で取り組んでいる国営エネルギー会社ガスプロムとの協力のほか、同国ガス大手ノバテクとの協力や国営電力ルスギドロと電力分野での共同事業でも覚書を締結した。

  同社の飯島彰巳会長はプーチン大統領と太いパイプを持っていることで知られている。同国ではサハリン2LNG事業や鋼材の加工販売、建設機械やトラックの販売など計17件の事業を展開しており、1967年からモスクワに駐在員を置いている。

  三井物産とともにサハリン2事業に出資している三菱商事もガスプロムやノバテクとの協力で合意。また国際協力銀行はロシアの政府系投資ファンド、ロシア直接投資基金(RDIF)との間で計10億ドル規模(約1180億円)の投資ファンド設立で合意。国際協力銀とRDIFが共同で投資対象を選定する。

信頼関係の構築が重要

   ロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフ最高経営責任者は15日のブルームバーグのインタビューで「さまざまな問題を解決するためにも経済協力を通じた信頼関係の構築はとても重要」と発言。経済協力によってロシア側は日本の技術や効率性、資本を導入でき、日本側はロシア市場への参入で経済成長につながると話した。

  日露ビジネスカウンシルのアレクセイ・レーピック会長は14日のインタビューで、「エネルギー分野への投資だけでロシアの経済成長をけん引するのは不十分」と指摘。これまで日ロの経済協力で中核を担ってきたエネルギーやインフラ案件だけでは十分ではないとし、両国が協力可能な範囲はそれ以外の分野にも広がっているとの見方を示した。

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