12月3週(19ー22日)の日本株は、日経平均株価が小幅ながら約4年ぶりに7週続伸する見通し。米国の良好な経済情勢や次期政権の積極財政方針を評価する買いが続く。日米金利差を背景にした為替の円安推移で業績拡大期待が広がる自動車や電機など輸出株、利ざや拡大が収益改善につながる金融株中心に上昇しそうだ。

  22日に米国で7ー9月期の国内総生産(GDP)確定値と11月の製造業受注が発表される。エコノミスト予想では、GDP成長率は年率3.3%と速報値の3.2%から上振れる見込みで、製造業受注も前年同月比0.5%増と10月の0.2%増から伸びが拡大する。武者リサーチの武者陵司代表は、2017年は「水面下で培われた米国経済の強さがトランプ新大統領の下で顕在化し、ドルが大きく上昇する」と予想、ドル・円は向こう1、2年で1ドル=130円を超えていくと想定され、日本経済と企業収益、株価は壮大なブームとなるとみている。

株価ボード前の歩行者
株価ボード前の歩行者
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  国内では、19-20日に開かれる日本銀行の金融政策決定会合が焦点の1つ。市場関係者の間では政策は現状維持の見方が支配的な半面、黒田東彦総裁が会見で「日米金利差の拡大に対しストップをかける発言があれば、マイナスに働く」とアイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは警戒感を示す。21日公表の11月の訪日外客数は、直近の円安がインバウンド消費に与える影響を探るヒントになりそうだ。

  需給面では海外勢を中心にクリスマス、年末休暇に入る投資家も徐々に増えそうで、相場格言に言う「閑散に売りなし」の状況になりやすい。大和証券の佐藤光シニアテクニカルアナリストは、直近の株高で「含み損を抱えた銘柄が少なくなり、年末特有の損出し売りが出にくくなった。日経平均は年末2万円もあり得る」と言う。一方、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオがブルームバーグ・データで捕捉可能な1992年以降で最高に達するなど、過熱感は上値を抑える要因になりそうだ。第2週の日経平均株価は2.1%高の1万9401円15銭と6週続伸。7週続伸となれば、13年1月に記録した12週連続以来になる。

  • 【市場関係者の見方】

アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャー
  「19、20日の日銀会合は現状維持を予想。黒田総裁の会見で日米金利差の拡大にストップをかける発言があれば、マイナスに働く。また、実体経済を示す22日公表の米製造業受注が勢いを欠く内容となれば、米国のセンチメント改善は先走りと捉えられ、売り材料になる。ただ、下がったところで買いを入れたい投資家が多く、急激な調整はイメージしにくい。日経平均の想定レンジは1万9000円から1万9500円」

三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジスト
  「小動きを予想。軟調な米国の住宅指標で米金利の上昇が抑えられ、円が反発する可能性があり、日本株の上値も重くなりそう。日本株には目先過熱感があり、高値警戒から利益確定売りも出る。ただし、世界の景況感は上昇しており、日本企業の収益にプラス。買い遅れている投資家はまだ多く、需給面は良好」

りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジスト
  「長期金利上昇とドル高が米景気に与えるマイナス面が意識されつつある。米国株が上昇しにくくなり、バリュエーション面での割高感が嫌気されだした。ドル建て日経平均がことし何度も跳ね返された168ドルの節を上抜け、年初来高値を更新するのは難しい。グローバルに上昇相場が息切れする可能性がある。ただ、投資家は年末までマネーを稼働させておかなければならず、株高を前提としたポジションから降りるに降りれない。中途半端な水準でクリスマス前に高値を付け、上昇局面が終わるパターンはほとんどない」

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