債券相場は先物中心に下落し、長期金利は一時0.10%と10カ月半ぶりの高水準を付けた。一方、超長期債は、日本銀行が実施した国債買い入れオペの結果を好感して堅調推移となり、利回り曲線にはフラット(平たん)化圧力が掛かった。

  16日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比13銭安の149円59銭で取引を開始。午後に入ると下げ幅を拡大し、一時は149円38銭と、中心限月ベースで1月以来の安値を記録。結局15銭安の149円57銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2.5ベーシスポイント(bp)高い0.10%で開始。新発債として1月29日以来の高水準を付けた。その後は0.075%まで戻した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「米金利が止まらない状況の中で、流れとしては引き続きトランプ以降のテーマを利上げとともに引きずっている状況」と説明。「長期金利で10bpなので水準次第で指し値という話も否定はできない。金利水準とスピードの両方が重要」と指摘。「いったん10bpを付けたがすぐ落ちた。やっぱりそこは警戒感が強いラインだと思う」と話した。

  超長期債は堅調。日銀が実施した長期国債買い入れオペで、14日に増額された金額のままだったことや、オペ結果が強めだったことが背景。新発20年物の159回債利回りは5bp低い0.565%、新発30年物の53回債利回りは5bp低い0.665%、新発40年物の9回債利回りは6.5bp低い0.78%まで下げた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「40年債とか30年債が爆騰しており、14日のオペがすごく効いている感がある」と指摘。「地合いが急変し、相当強いと言わざるを得ない。短期的に超長期ゾーンの金利上昇については歯止めが掛かってきた」と述べた。「長期金利についてはマーケットが日銀の意思を確かめにきている。0.1%を超えた段階で指し値オペが入る可能性はまだあり、なかなか売りづらい。10年債の金利上昇が止まるとより超長期ゾーンが買われやすくなる」と話した。

日銀国債買い入れ

日本銀行本店
日本銀行本店
BLOOMBERG

  日銀はこの日、長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年以下」が700億円と前回と同額。超長期ゾーンは「10年超25年以下」が2000億円、「25年超」が1200億円と、14日に増えた金額が維持された。

日銀長期国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  パインブリッジの松川氏は、「テクニカル的には、オペが前倒し的にばんばん入ってきたので、品薄になっており、40年を中心に需給が締まっている」と分析した。

  日銀は14日に超長期債の買い入れの増額とともに、次回オペを16日に行うと予告するなど異例の措置を取った。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「超長期債の利回りは日銀の買いオペ増額によって中途半端なところで止まり、投資家が買える水準までは上がっていない」と指摘。「フラットニングの持続性はあまりなく、スティープニングが速過ぎた反動で踊り場にいるだけだとみている」とし、「20年債は目先は入札も終わり、大量償還月でもあるので需給は改善するが、ここで上げ止まった印象はない」との見方を示した。

  15日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比3bp上昇の2.60%程度。一時は2.64%程度と2014年9月以来の高水準を付けた。前日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げに加え、今後数年の金利予測を上方修正したことが売り材料となった。ニューヨーク外国為替市場ではドルが続伸。対円で1ドル=118円台後半と2月以来のドル高・円安水準となった。

  三井住友アセットの深代氏は、「年明け以降はトランプ政策次第だが、20年債利回りが0.65%程度で止まる感じは全然しない。そんな状況下で、フルスイングで買いに行くわけにはいかない」と話した。

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