93歳のヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は依然意気軒昂だ。1972年のニクソン米大統領訪中で大きな役割を果たしたキッシンジャー氏は14日、トランプ次期米大統領が示し始めている外交方針について自らの見方を披露した。

  米中関係改善に向け取り組む非営利の100人委員会で講演したキッシンジャー氏は、米石油会社エクソンモービルのレックス・ティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)を次期国務長官に指名したトランプ氏への批判を一蹴。「ロシアと親し過ぎるとの主張には聞く耳を持たない。エクソンのトップとして、ティラーソン氏はロシアとうまく付き合うのが仕事だ。ロシアとうまくいく関係を持っていなければ、ティラーソン氏は役立たずということになる」と述べた。

  ワシントンのシンクタンクの理事会でティラーソン氏と共に働いたことあるキッシンジャー氏は、トランプ氏によるティラーソン氏起用を称賛。「この個人同士の関係を私的な関係として考えるべきではない」と語った。

  キッシンジャー氏のコンサルティング会社、キッシンジャー・アソシエーツに同社がエクソンと金銭的な関係を持っているか尋ねるメッセージを残したが、今のところ回答はない。

  トランプ氏が台湾の蔡英文総統と電話会談を今月行ったことについてキッシンジャー氏は、「軽率」だとしながらも、トランプ氏が数十年続いている「一つの中国」政策を支持し、中国が領土の一部と見なしている台湾との外交もしくは正式な関係樹立を回避することを「期待し、楽観視し、確信している」と述べた。

  キッシンジャー氏は「新政権はまだ発足していない」と述べ、71年以降のどの米大統領も米中双方もこの枠組みを受け入れてきており、この枠組みを学べば、それが覆されることはないと思う」と話した。

  同氏は直近の訪中で何を中国側に助言したかについては触れなかった。ただトランプ氏と台湾総統との電話会談に対する中国政府の正式な反応は、抑制されたものになっている。中国は米当局に「一つの中国」の原則を堅持するよう促したが、トランプ氏への批判は避けている。

原題:Kissinger at 93 Expounds on Rex Tillerson, ‘One-China’ and Trump(抜粋)

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