15日の東京外国為替市場で、ドル・円相場は10カ月ぶりの水準となる1ドル=117円台後半まで上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で来年の利上げ見通しが引き上げられ、事前予想と比べて利上げペースが速くなると受け止められたことが背景。

  午後3時48分現在のドル・円は、前日比0.5%高の117円64銭。午前に一時117円86銭と2月4日以来のドル高・円安水準を付けた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時1265.86とデータの提供を開始した2004年12月以降で最高水準に達した。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、ドル・円相場について、「朝方の強烈な買いは一巡して、いったんは落ち着いてきたように見える」と指摘。「日経平均は一度マイナスになったが、円安効果が上回ったのかプラスに転じている。今後は欧州株や米株、新興国株の状況が気になるところ」と述べた。

  15日の東京株式相場は上昇。日経平均株価は前日比20円18銭(0.1%)高の1万9273円79銭と、終値ベースで昨年12月以来の高値で取引を終えた。

  FOMCは13、14日に開いた定例会合で、政策金利を0.5〜0.75%に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げた。利上げ幅は市場の予想通りだったものの、FOMC参加者の政策金利予測(中央値)に基づく来年の想定利上げ回数が3回と前回予測の2回から増えたことを受けて、ドル買いが強まった。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「全般的に景気の見通し、GDP(国内総生産)、ドットを含めてタカ派というか前向きというところが影響している」と説明した。

  前日の米国市場で2年債利回りは一時1.27%と09年8月以来の水準まで上昇。10年債利回りは10bp上昇の2.57%で終了した。一方、米国株は下落し、S&P500種株価指数は前日比0.8%安の2253.28ドルで引けた。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「今回のFOMCのメッセージは、ビハインド・ザ・カーブにならないという話。声明文や見通しをみると、経済成長、インフレ率、政策金利見通しドットがいずれも引き上げとなっている」と説明。「成長とインフレ率は非常に緩やかな引き上げ。これに対してドットは来年の利上げが2回から3回に引き上げられている。米利上げペースを速めると言っている」と語り、来年は第1、2、3四半期に1回の利上げの可能性があると見込む。

  一方、三菱東京UFJ銀の野本氏は、「今後は実際の財政政策を見ながら対応していくことになると、結局はビハインド・ザ・カーブ的にドットを引き上げていかざるを得ないかもしれない。米金利は上昇しやすい。また年末のドル調達需要も見込まれるため、フォワード経由で長いところの金利も上がりやすくなる。問題はこうした急激な金利の上昇に株が耐えられるかだ」と分析。「昨日下落した米株や今晩の欧州株が上昇するようなら、ドル・円は早い段階で120円まで上昇してしまうリスクがある」としながらも、「株が崩れるようだと118円がいったんのピークということもあり得る」と述べた。
  
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イエレンFRB議長
イエレンFRB議長
Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.4%安の1ユーロ=1.0492ドル。一時1.0468ドルと15年3月以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだ。ポンド・ドル相場は一時1.2514ドルと1日以来のポンド安・ドル高水準を付けた。イングランド銀行(英中央銀行)は15日、金融政策を発表する。

  ドイツ証の小川氏は、米独の金利差が拡大してきていることを挙げ、「今回FOMCを受けて、ユーロはもっと下げると思う」と指摘。「英中銀は中立姿勢。ポンドに対してもドルが買われる流れ。ソフトBREXIT(英国の欧州連合離脱)かどうか次第だが、ドルが買われる流れは変わらない」と語った。

  韓国ウォンが対ドルで下落。一時は1183ウォンまで下落し、11月以来の安値を付けた。韓国銀行(中央銀行)は15日、金融通貨委員会で政策金利である7日物レポ金利を1.25%に据え置くことを決めた。

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