米連邦公開市場委員会(FOMC)は13、14両日に定例会合を開き、政策金利を0.25ポイント引き上げて0.5〜0.75%のレンジとした。今回の景気拡大局面での利上げは、昨年12月に続いて2度目。声明でインフレ期待が「かなり」上昇したと指摘したほか、労働市場がタイト化しているとの見方を示唆した。FOMC参加者の2017年の利上げ予測中央値によると、来年は0.25ポイントの利上げが3回実施される。9月会合後に示された予測中央値では、来年の利上げは2回とみられていた。

  FOMCは声明で「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層力強さを増すこととインフレ率の2%への回帰を支えていく」と指摘した。声明文に「やや(Some)」を加えたことは労働市場の改善余地が小さくなっていると当局が考えていることを示唆している。さらに、前回声明で使った「改善」という文言を「力強さ」に置き換えた。

会見するイエレン議長(14日)
会見するイエレン議長(14日)
Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  インフレ率が金融当局の目標である2%に向けて上昇し、失業率は低下を続ける中で、トランプ次期大統領は成長促進に向けた減税とインフラ投資を表明しており、利上げペースの加速を正当化する可能性がある。

  利上げは財政拡大の影響を弱める力があるが、声明は財政政策の変更について言及していない。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、財政拡大は完全雇用を達成する上で必要ないかもしれないと発言した。ダウ工業株30種平均が節目の2万ドルに近づく中、議長は株式市場の収益率は過去のレンジ内にあるとの認識を示した。

  トランプ次期大統領が1月の就任を控えて準備を進める中、イエレン議長は自身の将来についても示唆した。2018年2月に4年間の任期が満了する議長職を務めあげる意向をあらためて表明した。ただ、議長を再任されなかった場合、FRBに理事として残るかどうかについては「判断は後日に譲る」と述べるにとどめた。

  ブルームバーグニュースがエコノミストを対象に実施した聴き取り調査では回答者103人全員が今回の利上げを予想していた。8ー12日に実施した別の調査では回答者41人の平均で2017年の利上げ回数は2回と予想された。

  今回の利上げ決定は全会一致。FOMCの政策決定で反対票がゼロになったのは7月会合以来初めて。

  声明は最近の情報では、「労働市場が引き続き力強さを増し、経済活動は年央以降に緩やかなペースで拡大していることが 示唆された」と記述。「雇用の伸びはここ数カ月堅調」で、「家計支出は緩やかに伸びているが、企業の設備投資は軟調な状態が続いた」との判断を示した。

  経済見通しへの短期的なリスクについては「おおよそ均衡」しているように見受けられると指摘した。

  FOMC参加者が適切だと考える政策金利の予測中央値は2017年が1.375%、18年は2.125%。17、18両年とも0.25ポイントの追加利上げが3回あると想定されている。

  経済成長や失業率、今後3年のインフレ率の見通しについては9月の予測からほとんど変わらなかった。17年の国内総生産(GDP)予想は2.1%増と、前回の2.0%増からやや上向いた。

  17年の失業率予測は4.5%。今年11月の失業率は4.6%と、9年ぶりの低水準だった。

  長期のFF金利見通しは中央値で3%と、9月の2.9%から小幅に引き上げられた。この予想は下降トレンドにあった。

原題:Fed Raises Rates, Boosts Outlook for Borrowing Costs in 2017 (2)(抜粋)

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