日本のメガバンク株の空売りが6年ぶりの高水準となった。最近の株価上昇はペースが速過ぎて行き過ぎたとの見方が浮上した。

   東京証券取引所の週次データによれば、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ株の信用売り残は今月2日に1億900万株と、2010年7月以来の水準に達した。

   銀行株はここ1カ月に大きく値上がりした。米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利を受けた米国と日本の債券利回り上昇を手掛かりに、外国人投資家が買いに入った。一方、国内の個人投資家は反発は行き過ぎとみていると、東海東京調査センターが指摘する。

  同社チーフストラテジストの隅谷俊夫氏は「空売りしているのは個人投資家。外国人やヘッジファンドではないだろう。恐らく、こんなに上がるはずはないという個人の売りだろう」と説明。外国人から見れば、利回り上昇で金融機関の金利収入が増えるとの楽観もあり、日本の銀行株は割安に思えるのだろうとも話した。

  銀行株は今年の大半を通じて、日本株の中でパフォーマンス最悪のグループだった。日本銀行のマイナス金利政策で利益が圧迫されるとの懸念を背景に、いわゆる3メガバンクは年初から7月8日までに少なくとも40%下落した。これはTOPIXの2倍の下げ。

   信用売り残は先週には7800万株に減少したものの、依然として5年平均の2倍を超えている。過去1カ月の約20%値上がりで、3メガ銀株の相対力指数(RSI、14日ベース)は上げ過ぎを示唆する水準を超えた。上期の利益はアナリスト予想を上回ったものの、見通しについて各行は慎重姿勢を示している。

  MUFG株の信用売り残は2日終了週に346億円相当と、09年12月以来の高水準に達していた。三井住友Fは178億円、みずほFGは121億円。

   個人投資家がテクニカル指標にこだわる一方で、外国人投資家はトランプ次期政権の政策が銀行に与える影響を注視していると、東海東京調査センターの隅谷氏はみる。財政支出拡大とインフレ加速見通しで債券利回りが上昇したことは、銀行の利ざや改善期待につながる。また、トランプ氏が約束した金融規制緩和は米国で営業するMUFGなどには追い風となり、日本の銀行が米事業を拡大する可能性もあるとブルームバーグ・インテリジェンスが分析した。

   投資家の見方の両極化は恐らく、トランプ氏が公約通りの政策を実践するかどうかについての不透明感を反映していると、SMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストが指摘した。

原題:Bets Against Japan’s Megabanks Soar as Rally Polarizes Investors(抜粋)

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