米連邦公開市場委員会(FOMC)は13、14両日に定例会合を開き、政策金利を0.25ポイント引き上げて0.5-0.75%のレンジとした。今回の景気拡大局面での利上げは、昨年12月に続いて2度目。声明でインフレ期待が「かなり」上昇したと指摘したほか、労働市場がタイト化しているとの見方を示唆した。FOMC参加者の2017年の利上げ予測中央値によると、来年は0.25ポイントの利上げが3回実施される。9月会合後に示された予測中央値では、来年の利上げは2回とみられていた。

  これについて市場関係者は以下のようにコメントした。

◎米経済は財政出動による刺激をもはや必要とせず-元FRB副議長
  ブラインダー元米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は「ほとんど懇願に近い形で」財政サイドからの支援を金融政策担当者は何年も求め、共和党がその実現を拒んできたが、トランプ氏が次期米大統領に選出されたことで、もはや必要でない財政刺激策を後押しする動きが突然現れたと語った。ブルームバーグテレビジョンで発言した。
  FRBの独立性に「大きな懸念」を抱いているとブラインダー氏。
  われわれは完全雇用に近い状態にある。
  財政支出拡大で景気が一時的に高揚すれば、失業率が安定的な水準を下回る一方、インフレが加速し、FRBは自らの予測を上回る利上げに動く可能性がある。

◎FOMC金利予測、財政政策織り込む当局者増えれば上昇へ-ドイツ銀
  FOMCメンバーで金利予測時に財政出動見通しを加味する用意があったのは全員ではないため、「トランプノミクス」の詳細が織り込まれた時点でドットはさらに上昇すると、ドイツ銀行のストラテジスト、アラン・ラスキン氏が電話インタビューで述べた。
  財政政策について「先回りし過ぎることを当局は望まないとしても、これはどう考えても一段とタカ派方向へのシフトだった」。
  「市場はようやくドットに向かいつつある」。
  市場はこれまでFOMC予測に対し「明確に独立した」見方を示していただけに「これは間違いなく基調の変化だ」。
  ドル高をFOMCの道筋を阻む大きな懸念材料とは見なさない。2017 年に3回の利上げは「全くとっぴではない」。

◎イエレン議長の17年予測修正に関する発言は「やや驚き」-ソシエテG
  イエレンFRB議長が2017年の予測修正に関し、失業率の低下やインフレ期待の上昇だけでなく、一部当局者が財政政策の多少の変化を織り込んだことも一部関係すると説明したことについて、ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、オメイア・シャリフ氏はこのコメントに驚いたと述べた。
  打ち出される財政政策の具体的内容が分かるまでは先行きの見通しを変え ないと複数の当局者がこれまで述べていたため、一部当局者が財政 政策を考慮していたのは予想外だった。
  FOMCはインフレがもう少し加速するとの確信を明らかに示した。
  ソシエテは2017年の利上げを引き続き6月と12月の2回と予想。
  最大の不確定要素は減税など可能性のある財政政策からの影響だ。

◎金利市場にかなりの楽観論、オーバーシュートか-プルデンシャル
   2.5%付近の米10年国債利回り水準は幾分戻すこともあり得るが、短期レンジの上限に達しつつあるようだと、プルデンシャル・ファイナンシャルの債券部門チーフ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏が指摘した。
  米経済がさほど力強くはなく、ドルが上昇しているほか、新たな刺激策が実行されるにしてもそれまでにタイムラグがあることから、「米金融当局へのタカ派的な見通しは当面、最高水準付近にある可能性」。
  「多くの楽観論が織り込まれているようで、金利と通貨の調整期間に入る公算が大きい。われわれはオーバーシュートしている可能性」。

◎グロース氏:利上げで金融株や銀行株の上昇に終止符-CNBC
  ビル・グロース氏はCNBCとのインタビューで、米金融当局による利上げで少なくとも短期的には銀行株と金融株の上昇に終止符が打たれたと述べたほか、以下のようにコメント。
  金利上昇は銀行の利益率を縮小。
  利回り曲線は一段とフラット化へ。
  ボラティリティの売りは向こう1年に4-5%のリターンを得る鍵であり、グロース氏の会社の目標。

◎FOMCの金利予測、トランプノミクス歓迎とは言えず-三菱東京
  来年のFF金利誘導目標の予想中央値が若干上昇したのは、3-4%のGDP伸び率を目指すトランプ氏のプランへの「際立った信任投票とは必ずしも言えない」と三菱東京UFJ銀行のエコノミスト、クリス・ラプキー氏が電子メールでコメント。
  FOMCの17年実質国内総生産(GDP)伸び率予測の中央値は2.1%と9月時点の2.0%から上方修正、18年は2%で変わらず。

◎FOMCの金利予測分布図の変化は妥当-BofA
  米金融当局は経済成長が継続し大きな下向きの衝撃はないとの想定で行動していると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のエコノミスト、ミシェル・マイヤー氏が指摘した。
  金利予測のドットが上方修正されたのは最近の指標だけでなく、下振れリスクが和らいだとの一部の見方を反映。
  イエレンFRB議長は変化を「控えめ」と呼び重要視せず。
  BofAは来年の利上げは1回と予想し、9月の実施見込む。リスクは明らかに見通しの上振れ。

◎FOMCは6月に財政出動の影響取り上げる公算大-バークレイズ
  バークレイズのエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏はインタビューで、「今日の段階で財政出動の可能性に伴う金融政策動向への影響を取り込むのは時期尚早」と指摘し、3月もしくは6月の方がトランプ次期米大統領のプランが明確化され財政政策の影響を評価する上でより適切なタイミングになるとの見方を示した。
  17年3Qより前に大型の財政刺激策をまとめるのは「極めて困難だろう」。 
  今回のFOMCは金利予測分布図の上方修正からみて「タカ派への傾斜」。 
  FOMCが予測通りに来年3回利上げするなら、6月と9月と12月の会合で行うとゲーペン氏は予想。 
  ドルが大幅上昇する場合は利上げサイクルが鈍り、利上げの軌道が平たんに。

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