米連邦最高裁判所が1911年にジョン・ロックフェラー氏率いるスタンダード・オイルの解体命令を出して以降、米エネルギー業界は連邦政府と対立してきた。石油大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)が国務長官として承認されれば、そのエネルギー業界の大物がトランプ次期政権入りすることになる。

  ティラーソン氏らエネルギー業界首脳や関係者の政府高官への起用が発表される中、業界全体はシャンパンのコルクを抜くほどの喜びようだろう。議会に承認されれば、石油資源が豊富なテキサス州の前知事であるリック・ペリー氏がエネルギー長官に就任する。ペリー氏は過去にエネルギー省廃止を主張しながら討論会で同省の名前を思い出せなかったことがあった。シェール業界のお膝元、オクラホマ州司法長官で気候変動について懐疑的な見方をしているスコット・プルーイット氏は環境保護局(EPA)長官に起用される可能性がある。

ティラーソン氏
ティラーソン氏
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg *** Local Caption *** Rex Tillerson

  米エネルギー会社、ヘスのジョン・ ヘスCEOは、「石油とガスは将来の経済の原動力だ」と指摘。トランプ次期大統領の人選を称賛するとともに、トランプ氏は「エネルギーが極めて重要であることを非常に明確にした」と述べた。

  税金問題や反トラスト法(独占禁止法)に関連する課題、環境規制、連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)の下での倫理的監督をめぐって数十年にわたって連邦政府と対立してきたエネルギー業界にとって、これは驚異的な変化だ。特に、オバマ政権とは8年間にわたって敵対し、石油大手は政策中枢の蚊帳の外に置かれてきた。

  ヒューストン大学グティエレス・エネルギー経営研究所のディレクター、クレイグ・ピロング氏は「現政権からは明らかに180度の転換だ。世界最大のエネルギー会社の代表が国務長官に就任すれば、石油大手が権力と影響力を持ち、情報に基づいた提言を行うようになることは避けられない」との見方を示した。
  
原題:Oil Men Take Washington and Signal Dawn of New U.S. Energy Era(抜粋)

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