米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利は、米国の経済成長とインフレをめぐる債券市場の見通しに大きな変化をもたらした。それでもエコノミストは引き続き、来年の米利上げが2回にとどまると予想している。

  ブルームバーグが行ったエコノミスト調査の回答者はまた、連邦公開市場委員会(FOMC)が今月14日、ほぼ確実視されている利上げ決定を実際に発表した場合、来年6月まで再利上げはないと見込んでいる。

  TDセキュリティーズUSAのグローバル金利戦略責任者、プリヤ・ミスラ氏(ニューヨーク在勤)は「経済政策について米金融当局は拙速な判断を下したくない考えだ」と分析。「一段と多くの人々が労働力として活用されるよう、より長期にわたって金利を低めに据え置くという、これまで奏功してきた戦略を放棄することはないだろう」との見方を示した。

  トランプ氏の掲げた減税とインフラ投資の公約が、経済成長とインフレ率を押し上げるとの投資家の観測を背景に、同氏の当選以降、米株価は上昇して債券相場は落ち込んでいる。米国債10年物利回りは投票前日に1.83%だったが、その後2.45%に急上昇。S&P500種株価指数は5.9%の急伸となっている。

  しかしエコノミストは、トランプ次期大統領が実際にどのような政策を講じることになるか米金融当局者は見極めようとする構えだとみる。このため、FOMCが昨年12月の利上げの際に示唆したような緩やかなペースの利上げは2017年にも引き継がれ、今月13、14両日の会合でも中心的なメッセージになりそうだという。

  一方、独バーデン・ビュルテンベルク州立銀行の戦略的債務ディストリビューション責任者、カール・へーリング氏(ニューヨーク在勤)は「ドル高が進めば、利上げペースが一層緩慢となる可能性も高まる」と論評。ドル高が「インフレ率を抑え、成長加速を抑制するのは確実だ」と語った。

原題:Trump Spell on Markets Hasn’t Swayed Economists Judging Fed Path(抜粋)

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