任天堂は日本時間の15日午後5時以降にスマートフォン向けのゲーム「スーパーマリオラン」の配信を開始する。同社が掲げる「任天堂らしい」営業利益1000億円への回復へ向け正念場となる。

  任天堂は11月の詳細発表後、全国のアップルストアで遊べるようにしたり動画を公開したりして、販促活動を続けてきた。日本での価格は1200円となり、追加課金なしで3種類の遊び方ができる。当初は「iPhone(アイフォーン)」など米アップルの製品で利用することができる。

スーパーマリオラン
スーパーマリオラン
Source: Nintendo Co.

  任天堂は自社のゲーム機だけにゲームを提供していたが、スマホの普及に伴い方針を転換し、今年3月に初のスマホ向けアプリの配信を開始した。また任天堂が出資する「ポケモン」と米ナイアンティックが配信するスマホゲーム「ポケモンGO」は世界的に社会現象となるほどの人気となった。来年3月には、新型ゲーム機「スイッチ」を発売予定。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、マリオランは任天堂にとって「戦略的なタイトルだ」と指摘。「収益に加え、関心を持つ人が増えれば、スイッチや3DSで遊びたいという人も出てくる。ポケモンGO以降、任天堂への関心が高まっており、株価も反応しやすくなっている」と述べた。

  マリオは日本を代表するキャラクターで、8月のリオデジャネイロ五輪の閉会式ではマリオに扮(ふん)した安倍晋三首相が登場した。「ファミリーコンピュータ」用ゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」は1985年9月に発売され、マリオは歴代の家庭用ゲーム機の販売をけん引してきた。

  同社の君島達己社長は10月、ブルームバーグのインタビューで、スマホゲームやスイッチが本格的に普及する来期(2018年3月期)は収益的にも「いよいよ正念場が来た」と説明。順調にいけば、任天堂らしいとしてきた営業利益1000億円に「近づくような感じだと思う」と話した。また同社が目指すゲーム人口の拡大について、「いろいろな新しい驚きをお届けし、お客様がサポートしてくれることによって、やっと売り上げが上がってくる。結果がついてこなかったということは、そういうものが届けられていなかった」と述べた。

  任天堂の売上高は09年3月期の1兆8386億円を頂点に下降が続いており、今期(17年3月期)の予想は4700億円にとどまる。ゲーム人口の拡大によって来期以降の減収を食い止められるか、虎の子のマリオを投入するスマホゲームの成否で計ることになる。

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