債券相場は超長期債を中心に上昇。日本銀行が超長期ゾーンの国債買い入れ額を増額するとともに、次回のオペ実施日を事前に発表するなどの異例の措置で、金利上昇を抑制する姿勢を示したことを好感して買い圧力が強まった。

  14日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比6銭高の149円88銭で取引を開始。午前10時10分のオペ通知後には150円15銭まで水準を切り上げ、結局は15銭高の149円97銭で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「増額の上に念には念をということで、16日のオペを予告しており、超長期の急激な金利上昇を気にしている感がある」とし、市場が不意を突かれたこともあり、金利上昇が抑えられる格好になったと説明。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、「予想以上にホーキッシュな結果になれば、一段の米金利上昇やドル高・円安が進む可能性が警戒される」とし、買い安心感は限定的としている。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低い0.075%で開始。オペ後は0.05%まで下げた。新発20年物の158回債利回りは一時6bp低下の0.585%、新発30年物の53回債利回りは8bp低下の0.725%まで下げた。

国債買い入れオペ

黒田日本銀行総裁
黒田日本銀行総裁
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  日銀は午前の金融調節で、長期国債買い入れオペを通知した。買い入れ額は「10年超25年以下」が2000億円、「25年超」が1200億円と、前回から100億円ずつ増額された。一方、「1年超3年以下」が4000億円、「3年超5年以下」が4200億円、「5年超10年以下」が4100億円にそれぞれ据え置かれた。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、20年債入札を翌日に控える中、超長期ゾーンの買い入れが通知されたことについて、「入札の前日に行うということがこれまでほとんどなかったオペレーション」と指摘。「超長期金利を抑えるという意思の表れ」だとし、「想定外の動きで少なくとも金利上昇ということにはなりにくい」と述べた。

  日銀は残存期間10年超の買い入れに関し、今月4回目については16日にオファーすると予告。残存年限の区分については「1年ー5年」、「5年ー10年」、「10年超」と3つを同時に通知するなど異例尽くしとなった。

  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、「短中期の時は指し値オペを使い、超長期については量の増減で対応してきた」とし、「指し値オペの方が意思表示として強いことを考えると、量の増加は相対的に弱い」と説明。「イールドカーブコントロールでカーブを立たせること自体は悪くないことを考えると、短中期についてはより強力に市場をコントロールし、超長期についてはそこまで強力にせず、スピード調整的な意味合いを入れたのだろう」とみる。

  その上で、加藤氏は、「これをもって、10年0%近傍のターゲットについてマイナス0.08%から0.08%という水準感はでき上がった」とし、「今後は40年で0.9%周辺、30年では0.75%辺りというのが、一つの目線になっていきそうだ」と付け加えた。

  この日の米国時間にはFOMCが13、14日開催の金融政策決定会合の結果を発表する。市場予想によると、政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジが0.50-0.75%と、現行の0.25-0.50%から引き上げられる見通し。終了後に声明と経済予測が発表され、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見する。

  13日の米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は7営業日続伸して過去最高値を更新し、2万ドルに接近した。一方、米国債市場では10年債利回りが前日比変わらずの2.47%程度となった。30年債入札の好調を背景に利回り曲線はフラット化した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE