イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは公的支援観測が浮上する中、増資に向けて土壇場の取り組みを進めている。

  モンテ・パスキは資本増強計画の期限延長要請を監督当局に退けられた後、投資家から50億ユーロ(約6120億円)を調達する計画を向こう19日間で推進すると表明した。新たな投資を募る道を残す中、債券保有者に損失負担を強いる公的支援の可能性が高まった。

  アクロス銀行のアナリスト、ルイジ・トラモンタナ氏は顧客向けリポートで、「モンテ・パスキが市場を通じて資本増強するのは、現在の状況や期間の短さを踏まえると極めて実現困難だ」と指摘。「代替策は国有化とハイブリッド証券や劣後債の保有者による損失負担だろう」と分析した。

  約10億ユーロ相当の劣後債保有者に株式への転換を説得したモンテ・パスキは今後、再び債券保有者に株式転換する機会を提示する計画。同行によると、その後に新株発行を行うが、引き受け業務に関する銀行のコミットメントはまだ得られていない。新株発行を実施した場合は、約280億ユーロの不良債権が同行のバランスシートから切り離されて証券に束ねられ、投資家に売りに出される。

  アナリストらは成功を楽観していない。IMI銀行のアナリスト、マヌエラ・メロニ氏は12日、公的支援を伴う予防的な資本増強と債券保有者の損失負担が最も起こりそうな結果だと指摘した。

  モンテ・パスキ株は12日のミラノ市場で前週末比3.7%高で終了。9日には11%下落していた。年初来では83%下落しており、時価総額は5億9300万ユーロと、投資家から調達を目指す金額の8分の1弱。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、同行は前回実施した債券の株式転換で参加の妨げになった一部条項の除外について監督当局の許可を得た上で、約20億ユーロの劣後債の株式転換をリテール(小口)投資家に要請する計画。同行は向こう1週間で債務の株式転換を完了し、新たに10億ユーロの調達を目指す考えだという。  

  同行は増資計画で引き続き民間投資家を募っているが、伊政府は代替案の仕上げに余念がないと、政府当局者は9日に明らかにした。

原題:Monte Paschi Presses With Capital Plan as Rescue Clock Ticks (1)(抜粋)

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