13日の東京外国為替市場では、ドル・円相場は1ドル=115円台前半へ小反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にドル売りが先行したが、トランプ次期政権の財政拡張策への期待や米金利先高観が支えとなった。

  午後3時35分現在のドル・円は前日比0.2%高の115円27銭。前日は原油高を受けたリスク選好の動きや米金利の上昇を背景に一時116円12銭と約10カ月ぶりの水準までドル高・円安が進んだが、原油価格が急速に伸び悩み、米金利が低下に転じるとドル・円も反落。この日は朝方に114円74銭まで下げた後は下げ渋り、午後は米金利の反発を背景に115円40銭まで上昇する場面があった。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、「目先的にはFOMC前ということで短期勢中心とした利益確定の売りが上値を抑えている感じがするが、センチメントそのものは変わっていない」と指摘。FOMCについては、大きな材料にはなりにくいとみているが、「足元のセンチメントの障害にならないということが確認できれば、ドル・円はまた上がりやすくなるかも知れない」と語った。  

  この日から始まるFOMCでは、0.25ポイントの利上げを決めフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジを0.5ー0.75%とすることがほぼ確実視されており、当局が2017年の見通しをどう修正するかや、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見内容に投資家は注目する見通し。9月に更新された「ドット・プロット(金利予測分布図)」の中央値では、来年2回の利上げが見込まれていた。FOMC声明と新たな経済予測は14日午後2時(日本時間15日午前4時)発表される予定で、その30分後にイエレン議長が記者会見を開く。

  アジア時間13日の時間外取引で米10年債利回りは小幅上昇。朝方に2.45%台まで低下する場面が見られたが、午後には2.48%付近まで戻した。前日には原油価格の急騰を背景に、一時2014年以来となる2.5%台まで上昇する場面が見られた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)外国為替・コモディティー営業部の吉利重毅部長は、これからも米長期金利の2.5%乗せはあるかもしれないが、ここから一段米金利が上昇するにはFOMCで来年3回の利上げの可能性が示唆されないと難しいと予想。一方、「ドル・円は来年2回以上の利上げを織り込みに行くようになれば、年内に118円まで上昇する可能性があるだろう」と話した。

  米金利の上昇に伴い、日本の10年債利回りは12日に続いてこの日も一時0.08%と2月16日以来の水準まで上昇。市場では日本銀行が金利上昇の抑制に動くかどうかが注目されたが、日銀はこの日の金融調節で指し値オペを行わなかった。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、ここで金利上昇を抑えれば日米金利差でドルは上昇しやすくなるが、ある程度放っておいても金融機関の収益にはプラスだし、「株がしっかりしている限りリスクオンになりがちなので、指し値オペがなくても日本の金利は上がってきた、それでドル売り・円買いということにはならない」と語った。

  ユーロ・ドル相場はほぼ変わらずの1ユーロ=1.0633ドル。前日に1週間ぶり安値の1.0520ドルから1.06ドル台半ばまで値を戻し、その後もみ合いとなっている。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、ドル下落の裏返しでユーロは上昇しているが、政治的な不透明感が続く見通しで、「長期的には下落基調が続く」と予想。「ECB(欧州中央銀行)のテーパリングは政治的に難しいので、ユーロのダウンサイドリスクは大きい」と話した。

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