JPモルガン・チェースの商業銀行部門から融資を受けられない不動産開発業者には、代替の貸し手がいる。同行のトレーディングデスクだ。

  JPモルガン投資銀行部門に属するトレーダーのグループが、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の組成に適さない巨大開発プロジェクト向け融資などを引き受けている。事情に詳しい関係者が明らかにした。ここ数カ月にマンハッタンの集合住宅やタイムズスクエアのホテル、ニュージャージー州の大規模ショッピングモールなどの開発資金調達に携わったという。

  利回りが高いものの、リスクも大きい建設向け融資を伝統的な銀行が手控える中、JPモルガンが同分野に進出した。同行投資銀部門のトレーダーらは投資家と開発業者の需要をつなぎ、うまみのある案件に携わっている。一方、商業銀行部門は6年にわたる価格上昇後、不動産ファイナンスに慎重になっている。

  ボストン大学で金融リスク管理を講じるマーク・ウィリアムズ氏(元連邦準備制度検査官)はトレーディングデスクの業務について「明らかにサイクルの転換点にある時点で高リスク分野に貸し込んでいる」と指摘した。

  「CMBSに組成しない融資はわれわれの事業の小さな部分にすぎないが、顧客のためにプロジェクトに資金を付ける賢明で思慮ある機会があるなら実行する」と、JPモルガン広報担当のブライアン・マーキオニー氏が述べた。

  関係者が匿名を条件に述べたところによると、不動産ローン担保債券のトレーディングチームは約2年前に建設向けローン提供を開始した。市場の変動や規制の影響でCMBSの発行が細ったため、こうした取引は2016年を通じて増えたが、それでもチームが過去2年に引き受けた不動産関連貸し付け約300億ドルのほんの一部にすぎないという。

原題:JPMorgan Traders Back Risky Property Deals as Bank Shows Caution(抜粋)

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