米S&P500種株価指数が金利上昇の脅威に対して急に免疫力を発揮している状況について、何か大きなことが始まる前兆と解釈したくなるかもしれないが、それは間違いであることを過去のデータは示唆している。

  確かに、2015年12月に米連邦準備制度が引き締めに踏み切った時よりも状況はかなり良好に見える。経済指標はこの2年で最も速いペースで予想を上回っており、原油価格は2倍近くに上昇。株式相場は英国の欧州連合(EU)離脱決定を物ともせず、米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利以降は大幅高を演じている。S&P500種株価指数は1カ月で約5%上昇し、大統領選後の株価上昇としてはロナルド・レーガン氏の当選以来の大きさで、ダウ工業株30種平均は2万ドルの大台に接近している。

  ただあらゆる楽観主義も過去のデータを見れば、12月の強気相場を立ち止まらせそうな事実と衝突する。米金融当局による緩やかな引き締めサイクルの2年目は株式相場のリターンが最低レベルであることがしばしばあるからだ。ネッド・デービス・リサーチとブルームバーグの集計データによると、S&P500種は第2次大戦以降、同様の局面で平均1.8%下落し、過去の年率リターンを9ポイント近く下回っている。

  ネッド・デービスの米国担当チーフストラテジスト、エド・クリソルド氏は「緩やかなサイクルでもいずれは痛手を与える」と述べ、「われわれの予想では、2017年も金利は依然として比較的低いが、ここ数年よりも大きなリスクになる」との見方を示した。

  連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは12月14日に2日間の討議を終えて0.25ポイントの利上げを決めると予想されている。FOMCが9月に公表した予測では、17年は2回、18年は3回の利上げが見込まれている。

  ネッド・デービスは第2次大戦以降の米金融引き締めサイクルを3つのタイプに分類。利上げペースを減速すると市場の反応も鈍るが、それでも反応が生じる傾向を見いだした。クリソルド氏によれば、今の利上げペースは平均的な緩やかな引き締めサイクルよりもさらに緩やかだという。

原題:For Stocks, Hard Part of This Tightening Cycle Comes Next Year(抜粋)

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