債券相場は下落。日本銀行が金利上昇を抑制する指し値オペの通知を見送ったことを受けて、売りが優勢となった。超長期債ゾーンへの売り圧力が継続し、新発20年債利回りは10カ月ぶり高水準を更新した。

  13日の長期国債先物市場で中心限月2017年3月物は、前日比1銭安の150円03銭で開始。直後に150円19銭まで上昇したが、日銀金融調節でオペが通知されないと水準を切り下げ、149円81銭まで下落。結局149円82銭と、この日の安値圏で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「取引の序盤は日銀の指し値オペ期待もあって、昨日のイブニングで売り過ぎた分の買い戻しや12月限が最終日ということでの買い戻しを誘発した形。その後は指し値オペがなかったこともあり、行って来いとなった」と説明した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.065%で開始し、いったん0.055%まで低下。その後は水準を切り上げ、0.08%と前日に付けた2月16日以来の高水準に並んだ。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「新発10年債利回りが0.1%に近づいてきているので、市場では日銀による指し値オペが意識されている。もっとも、長期債は水準的にはいいところにきているが、じりじり水準を上げている。先月の中期ゾーンのような急激な上昇ではない」と話した。

  20年物の158回債利回りは一時1.5bp高い0.65%と、新発として2月以来の高水準を更新した。30年物の53回債利回りは0.5bp高い0.805%と、新発として3月以来の水準まで売られた。

オペの介入ポイントに接近

黒田日本銀行総裁
黒田日本銀行総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日銀オペの「介入ポイントは近付いていようが、まだ条件が満たされたとは言えないとみている」と指摘。「金利水準だけでなく、スピード、他市場への影響なども加味。水準は十分とは言えず、過去2日のようなスピードで相場下落が続き、かつ株やドル・円が下落した場合」とみる。

  具体的な金利水準について、松沢氏は「10年債自体0.10%が一つのめどになるとは思うが、現在の相場下落の中心である超長期債にも何らかのめどは必要だろう。20年債利回りで0.8%台ではないかとみている」と言う。

  週明け12日の米国債市場で、10年物国債利回りは前週末比ほぼ横ばいの2.47%程度。原油相場の上昇を受け、世界的な国債売りの流れを背景に一時、2.53%程度と14年以来の水準まで売られたが、その後は買いが入って戻した。同日の欧州債市場ではドイツ国債の利回り曲線がスティープ化した。

5年債入札

  財務省がこの日実施した表面利率0.1%の5年利付国債(130回債)の価格競争入札の結果は、 最低落札価格が100円79銭と、市場予想を1銭下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.48倍と前回の3.56倍から上昇。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は3銭と前回の5銭から縮小した。

5年利付国債入札結果はこちらをご覧下さい。

  大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、5年入札について「最低落札価格は水準的にやや低かったとみているが、応札倍率が上昇、テールが縮小するなど前回から改善。まずまずの結果だったのではないか」と分析。5年入札が低調となり、午後に相場が一段と調整して日銀の指し値オペが入るのではないかという一部参加者のシナリオの可能性は低くなったと指摘した。

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