イタリアのマッタレッラ大統領から11日に次期首相に指名されたパオロ・ジェンティローニ外相(62)は、元上司のマテオ・レンツィ首相の単なる代役で終わる可能性がある。

  12月4日の伊国民投票で憲法改正案が否決され辞任したレンツィ氏の後任として大統領から組閣を要請されたジェンティローニ氏は、早ければ12日に組閣について大統領に報告する見通し。こうした動きはレンツィ氏の首相返り咲き計画を阻むものではない。

  ジェンティローニ氏は主な後ろ盾であるレンツィ氏が総選挙の前倒しを望んでいるため、来年前半に退任を迫る圧力に直面する可能性が高い。両氏のこうした関係をみて、反既存政治を掲げる野党「五つ星運動」のリーダー、ルイージ・ディマイオ氏は、ジェンティローニ氏をレンツィ氏の「アバター(分身)」だとやゆした。

  ローマ社会科学国際自由大学(LUISS)のジョバンニ・オルシナ教授は電話インタビューで、「ジェンティローニ政権は玉虫色の政権になろう。レンツィ氏は来年に総選挙前倒しを求めているため暫定政権として発足する。ジェンティローニ氏はレンツィ氏と極めて近い。2018年まで続投するかもしれないが、どんな力が働き得るかは誰にもわからない」と指摘した。次の総選挙は2018年の早い時期に予定されている。

  同教授によると、ジェンティローニ氏の優先課題は選挙法改正と弱い経済成長の押し上げ、苦境の銀行セクターへの対応になるという。「ジェンティローニ氏は有能な首相になる。レンツィ氏のような派手さはないが、政治経験は豊富だ」と同教授は付け加えた。

  ジェンティローニ氏は、伊銀モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの経営難問題を抱えるパドアン経済財務相を含む現職閣僚を複数留任させる見通し。欧州中央銀行(ECB)は9日にモンテ・パスキによる50億ユーロ(約6070億円)の資本増強計画の期限延長を認めなかったため、政局不安による銀行セクターへの悪影響が懸念されている。

原題:Italy’s Gentiloni Seeks Premiership as Renzi’s ‘Avatar’(抜粋)

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